【金融機関のSNS担当者必見!】金融業界のSNS運用事例9選|成功の法則をプロが解説!

SNSは今や、銀行・証券・保険などの金融機関にとっても避けては通れないマーケティング手段となりました。とはいえ、「どのSNSを使えばいいのか」「どう発信すれば成果につながるのか」と頭を悩ませているご担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、金融業界に特化したSNS運用支援を手がける筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、実際の成功事例9選を紹介。さらに、「うまくいっていない金融機関の投稿例」や「フォロワーが伸びない原因」など、あまり語られないリアルな失敗例にも踏み込んで解説しています。

SNS担当になったばかりの方も、運用歴があるけどうまくいっていない方も、明日からの改善に役立つヒントがきっと見つかります。

この記事はこんな人におすすめ
  • 金融機関のSNS担当を任されたが、何から始めればいいか分からない方
  • SNSを運用しているが、フォロワーが増えず効果を実感できていない方
  • ​上司やクライアントから「他社の事例を調べておいて」と言われ、困っている代理店担当者
  • 成功している企業だけでなく、うまくいっていない例も知っておきたい方
この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。 制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。

目次

金融機関がSNSに取り組むべき理由

事例を見る前に、なぜ今、金融機関にとってSNSが重要なのかを整理しておきましょう。SNSは単なる情報発信ツールではなく、顧客接点の拡大から信頼構築、申込導線の整備まで、多くの役割を担う存在になっています。

ここでは、金融機関がSNSに取り組むべき代表的な理由を4つ紹介します。

ブランド強化・信頼感の向上

SNS運用の目的のひとつは、企業のブランド価値を高め、信頼感を築くことです。特に金融機関のように「安心感」や「誠実さ」が重視される業界では、SNSでの情報発信が企業イメージに直結します。

その中でも注目されやすいのが「フォロワー数」です。人は無意識のうちに、フォロワーの多さから企業の規模や信頼性を判断しがちです。実際、フォロワーが多いことで「多くの人に支持されている企業」という印象を与えることができます。

ファイマケ代表 苛原寛

例えば、アカウント開設直後にプレゼントキャンペーンを実施してフォロワー数を増やす金融機関も多いです。もちろんキャンペーン投稿ばかりになるのは避けたいですが、効率的にフォロワーを増やすためにはキャンペーン投稿と通常投稿を掛け合わせて運用することがおすすめです。

認知度の向上

SNS運用の2つ目の目的は、企業の認知度向上です。


今や多くの人が日常的にSNSを利用しており、情報収集の手段としても活用されています。そのため、SNSでの発信は、企業の存在や活動を知ってもらうために欠かせない手段となっています。

X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどで投稿が拡散されれば、これまで接点のなかった層にも情報が届き、認知を広げることが可能です。

もちろん、金融機関という業種上、社員が踊るような内容やリスクの高い投稿は適していません。しかし、共感されやすい話題や、日常に役立つ情報、少しユニークで目を引くフォーマットなどを工夫することで、無理なく拡散を狙うことができます。

ファイマケ代表 苛原寛

例えば、証券会社であればNISA制度に関するまとめ投稿や投資のお役立ち情報などを発信し、投稿が拡散されることで自社の認知拡大を狙うケースも多くみられます。

ファンの獲得

SNS運用の3つ目の目的は、ファンの獲得です。


金融業界は、エンタメや飲食、アパレル業界のように目に見える商品を扱っていないため、ファンをつけるのが比較的難しいとされています。

そこで効果的なのがSNSの活用です。企業キャラクターを使った投稿や、運用担当者の人柄が感じられる投稿、ちょっと意外性のある工夫を加えた投稿などを通じて、親しみやすさや共感を生み出すことができます。

こうした発信を積み重ねることで、単なるフォロワーではなく、企業を応援してくれるファンを少しずつ増やしていくことが可能になります。

ファイマケ代表 苛原寛

例えば、三井住友銀行では緑色のカワウソのキャラクター「ミドすけ」を使ってSNS投稿をおこない、ファンを獲得しています。

申込の増加

SNS運用の4つ目の目的は、申込の増加です。

金融機関にとって、口座開設や新規契約、各種サービスの申込獲得は重要です。そのため、SNSも最終的には申込につなげるための手段として活用されます。

とはいえ、単にサービスを紹介するだけの投稿では、なかなか申込には結びつきません。たとえば、ショートドラマ形式の動画でサービスを紹介したり、トレンドに合わせた切り口で発信したりするなど、届け方に工夫が求められます。

情報をただ届けるのではなく、ユーザーの興味を引き、自然に関心を高めてもらう工夫が成果につながるポイントです。

ファイマケ代表 苛原寛

例えば、マスコットキャラクターを通じて自社商品やサービスの宣伝をおこなう金融機関も少なくありません。また、Xでは自社サービスをトレンドワードに入れる方法もあります。

銀行のSNS活用事例2選

ここからは、実際に金融機関のSNS運用事例を確認しましょう。まずは、銀行のSNS活用事例を見ていきます。

三井住友銀行:X(旧Twitter)を活用した認知拡大とファン獲得

三井住友銀行では、公式Xでオリジナルキャラクター「ミドすけ」を前面に出した運用を行っています。

プロフィールアイコンにもミドすけを設定し、日々の投稿にも登場させながら、情報発信やサービスの告知を行っているのが特徴です。現在のフォロワー数は30万人を超えており、多くの投稿が1万インプレッション以上を記録しています。

「ミドすけだよ!」というお決まりの一言から始まる投稿が多く、キャラクター視点で発信することで、企業アカウント特有の堅い印象をやわらげ、親しみやすさを演出しています。その結果、ファンを着実に増やしながら、継続的なエンゲージメントを生み出しています。

また、三井住友銀行が力を入れているサービス「Olive」に関するPR投稿も多く見られます。たとえば、初任給のタイミングで給与振込口座をOliveに設定するよう促した投稿は、7万回以上表示され、400件を超える「いいね」を獲得しました。投稿ひとつひとつの訴求力の高さがうかがえます。

このように、キャラクターを活用しながら情報発信と販促をうまく両立している三井住友銀行は、金融機関におけるキャラクター主導型SNS運用の代表例といえるでしょう。

ファイマケ代表 苛原寛

ミドすけはLINEスタンプやカレンダー、特設Webページなどにも登場しており、ファンを増やすための多角的な施策が展開されています。
自社キャラクターは作ったものの活用方法に悩んでいる、あるいはこれからキャラクターを活用したSNS運用を検討している金融機関の担当者にとって、三井住友銀行の取り組みは大いに参考になるはずです。
なお、弊社でもキャラクター制作に対応しています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

三菱UFJ銀行:Instagramでのショート動画を活用した認知拡大

三菱UFJ銀行は、Instagramのショート動画(リール)を活用し、認知拡大と新規フォロワーの獲得に成功しています。

投稿されたリール動画の多くが1万再生を超えており、フォロワー数は約4.3万人(2025年4月27日時点)と、国内銀行の中でもトップクラスです。

主に「節約術」や「投資に関する豆知識」といった、日常生活に役立つ情報を発信しており、「銀行員が実践する電気代節約術5選」や「銀行員OLの休日の過ごし方」といった社員目線の投稿も話題を呼んでいます。

こうしたお役立ち系コンテンツで関心を集めたフォロワーに対しては、ストーリーズなどを活用して自社サービスや商品の訴求も可能です。

認知拡大やフォロワー獲得を目指す場合、「ショート動画×お役立ちコンテンツ」の組み合わせは非常に有効な手段となるでしょう。

ファイマケ代表 苛原寛

Instagramで新規フォロワーを獲得するには、ショート動画(リール)の活用が非常に効果的です。そのため、運用の中心はリールをメインに据えることをおすすめします!

証券会社のSNS活用事例2選

SBI證券:YouTubeでの投資教育コンテンツ提供

SBI証券は、公式YouTubeチャンネル「ビジネスドライブ」にて、インフルエンサーとのコラボ動画を数多く配信しています。コンテンツの中心は、投資術や銘柄の選び方、投資哲学など、投資に関する教育的な内容です。

これまでに、グローバルストラテジストのエミン・ユルマズ氏、節約術で人気のくらま氏、アニメコント「社会人ズの恋」、投資系YouTuberのぽんちょ先生などとコラボを実施。中には再生回数が10万回を超える人気動画もあります。

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著者情報

苛原 寛のアバター 苛原 寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。
制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。

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