証券会社のInstagram活用事例4選|投資初心者にも届く運用ポイントと成功の秘訣

Instagramはいま、証券会社にとって投資家や潜在的な顧客との信頼関係を築く重要なタッチポイントになりつつあります。とはいえ、「商品やサービスを直接PRしても響かないのでは?」「フォロワーを増やす工夫が分からない」と悩む広報・マーケティング担当者も少なくありません。

本記事では、金融業界に特化してSNS支援を行う筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、証券会社のInstagram活用事例を4つ紹介。各社がどのようにアカウントを設計し、どんな投稿が成果につながっているのかを解説します。さらに、金融ならではの表現規制やリスクを踏まえた運用ポイントも整理しました。

これからアカウントを立ち上げたい方はもちろん、運用はしているものの伸び悩んでいる方にとっても、改善のヒントが見つかるでしょう。

この記事はこんな人におすすめ
  • すでに運用中だが、フォロワー数やエンゲージメント率の停滞に悩んでいる広報・マーケティング担当者
  • Instagramの活用を検討しているが、「証券会社で効果が出るか」と疑問を持つ担当者
  • 他社の成功パターンから学び、自社アカウントの改善施策を探したい方
  • 金融業界特有の規制やコンプライアンスに配慮しつつ、安心してSNS発信を進めたい方
この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動でリスクマネジメント営業に従事したのち独立。上場企業への保険提案やNISAセミナー実績を活かし、現在は株式会社ファイマケの代表取締役として、金融機関向けのSNS運用支援やWebコンテンツ制作を行う。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

目次

Instagramに取り組む証券会社が増えている理由

近年、証券会社のSNS活用はFacebookやXにとどまらず、Instagramへと広がっています。ビジュアルを重視したプラットフォームという特性から、一見すると金融と相性が薄いように思われますが、実際には若年層や投資初心者との接点拡大に大きな効果を発揮しています。ここでは、その主な理由を整理してみましょう。

若年層との新しい接点づくり

投資への関心は20〜30代を中心に高まっており、資産形成を早期に始めたいと考える層が増えています。彼らが日常的に利用しているのがInstagramです。証券会社がこの場に情報を発信することで、従来の広告やセミナーではリーチできなかった層にも自然にアプローチできます。

また、投資初心者にとってSNSは「学びの入り口」となりやすく、興味関心を持つ段階から長期的な顧客関係を築く基盤となります。

専門情報をやさしく伝えられる表現力

金融や投資の情報は専門用語が多く、初学者にとっては理解のハードルが高いものです。Instagramは写真・図解・インフォグラフィック・短尺動画などを活用できるため、難しい内容も視覚的にわかりやすく整理して届けられます。

たとえば「投資信託の仕組み」をイラスト付きで解説したり、数十秒の動画で株式投資の基礎を紹介するなど、テキスト中心の媒体では得られない理解促進効果があります。こうした工夫により「投資は難しい」という心理的な壁を下げることが可能になります。

ブランドの親近感と信頼感の向上

証券会社は一般的に「専門的で敷居が高い」というイメージを持たれがちです。しかし、Instagramでの発信は企業の柔らかい側面を伝える場にもなります。季節ごとの経済ニュースを生活に結び付けて紹介したり、社員インタビューや日常の風景を交えたりすることで、ブランドに親近感を持ってもらうきっかけが生まれます。

さらにコメント欄やストーリーズでのリアルタイムなやり取りにより、ユーザーからの声を直接受け止められるのも大きな強みです。結果として「身近で信頼できる金融パートナー」としての印象を強め、顧客の定着につながっていきます。

ファイマケ代表 苛原寛

顧客視点を忘れず、誰に向けて何を伝えるのか明確にすることが重要。社内視点に偏ると魅力が半減するため、常に読者のニーズに応える姿勢が求められます。

証券会社のInstagram活用事例①SBI証券

SBI証券 Instagramアカウント

証券会社の中でも特に積極的にInstagramを運用しているのがSBI証券です。若年層や投資初心者へのアプローチを強化する狙いから、専門的な金融知識をわかりやすく発信し、ユーザーとの接点を増やす工夫を続けています。

ここでは、SBI証券がどのようにInstagramを活用しているのか、具体的な取り組みを見ていきましょう。

ブランドの親近感と信頼感の向上

SBI証券のInstagramでは、投資初心者を意識した教育的コンテンツが数多く投稿されています。たとえば「円安とは?」「新NISAはじめ方ガイド」など、専門的なテーマを図解やインフォグラフィックを使ってやさしく表現しているのが特徴です。

難解になりがちな金融情報も、1枚のスライドや短い動画に整理することで、投資未経験者にもスムーズに理解してもらえる工夫がされています。特に若年層にとっては、投資を学ぶ最初の入り口として親しみやすい構成となっています。

生活に寄り添ったテーマ設定

金融の知識をただ解説するのではなく、日常生活に結び付けたテーマで発信している点もSBI証券の特徴です。たとえば「みんな何に投資してる?」など、ライフイベントや経済状況に関連付けたコンテンツを展開。

ユーザーが「自分ごと」として捉えやすくなるため、保存やシェアといったエンゲージメントにつながりやすいのです。投資を特別なものではなく、日常に根ざしたテーマとして取り上げることで、ブランドへの信頼感も高めています。

ファイマケ代表 苛原寛

生活に紐づいたテーマ設定は、金融情報を難しいものではなく自分にも関係がある話として認識させる効果があります。SBI証券のように日常のシーンに合わせた発信を行うことで、投資への心理的ハードルが下がり、フォロワーの学びや行動につながりやすくなります。

双方向コミュニケーションの仕組みづくり

SBI証券はInstagramを発信の場にとどめず、フォロワーとの対話にも力を入れています。ストーリーズのアンケート機能を活用して一問一答チャレンジを実施したり、コメント欄で寄せられた質問に積極的に回答したりする姿勢が見られます。

また、キャンペーンやプレゼント企画なども定期的に実施し、参加型のコミュニケーションを促進。こうした仕組みは、投資初心者に安心感を与えると同時に、ユーザーとの距離を縮める効果を発揮しています。

証券会社のInstagram活用事例②楽天証券

楽天証券 Instagramアカウント

楽天証券は、Instagramを情報発信チャネルとしてだけではなく、新規顧客層獲得を目的とした戦略的ツールとして活用しています。2022年8月の公式アカウントリニューアルでは、「フォローするだけで投資がちょっとだけわかるようになる」という明確なビジョンを掲げ、特にデジタルネイティブ世代の若年層に向けた投資教育とコミュニティ形成を重視した運用を行っています。

インフルエンサーの積極的な活用

楽天証券のInstagram運用で特筆すべきは、インフルエンサーを積極的に起用している点です。代表的な例が、株主優待の名人として知られる桐谷さんとのコラボレーションです。

1,000銘柄以上の優待株を保有し、衣食住や娯楽を優待で賄う独自のライフスタイルを発信する桐谷さんは、投資初心者からベテラン層まで幅広い人気を集めています。楽天証券は彼を起用したリール動画で「注目の優待銘柄」を紹介し、オリエンタルランドやコロワイド、ソフトバンクといった具体的な銘柄を取り上げました。

投資の実践的な魅力を生活に直結する形で伝えることに成功。証券会社の情報発信が堅苦しい説明に終始しがちな中、ユーザーが親しみやすく、実際の投資行動へとつながりやすいアプローチを実現しています。

ターゲット層を意識した戦略的アプローチ

楽天証券は、20〜30代の投資初心者層を主要ターゲットに設定し、従来の金融機関が抱える堅苦しいイメージを払拭することを狙いとしています。「フォローするだけで投資への意識が高まる」というビジョンを軸に、投資未経験者でも自然に資産形成に関心を持てるようなコンテンツ設計を徹底。

楽天証券のフォロワーから集められた情報から、「投資初心者が知っておいた方がいい投資用語」の投稿を作成するなど、これから投資を始める方向けの学習系コンテンツも充実しています。

教育的役割を重視した投稿やリール動画、クイズ機能などを活用し、ユーザーが能動的に学べる場を提供することで、信頼感と顧客ロイヤルティを同時に向上させています。

参照:楽天証券公式Instagramリニューアルのお知らせ

インタラクティブ機能で学習と交流を促進

InstagramのストーリーズQ&Aやクイズを活用し、ユーザーの疑問や不安に直接応える「先回り対応」を実現。専門家による解説動画や、リールでの簡潔な金融情報提供により、複雑な投資知識も直感的に理解できる形式で発信しています。

さらに、初心者向けのランキング投稿や書籍紹介企画なども展開し、学習意欲の高いユーザーを惹きつけつつ、コンテンツへのエンゲージメントを高めています。

コミュニティ形成とUGC促進

楽天証券は、ユーザー自身が参加できる場を積極的に提供しています。「#楽天証券で学ぼう」などのハッシュタグキャンペーンや、オリジナルARフィルターを活用し、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を促進。

これにより、アカウントは単なる情報源から、学習と交流のハブへと進化。参加型コンテンツは、新規フォロワー獲得やブランド認知拡大にも寄与し、複合的な効果でInstagram運用の価値向上を実現しています。

ファイマケ代表 苛原寛

UGCは、企業発信だけでは得られない信頼感や共感を作る貴重な要素です。楽天証券のように参加型コンテンツを設計することで、フォロワーが能動的に関わるようになり、ブランドとの心理的距離が縮まることを覚えておきましょう。

証券会社のInstagram活用事例③マネックス証券

マネックス証券 Instagramアカウント

マネックス証券は、Instagramを単なる金融商品やサービスの情報発信に留めず、ブランドビジョン「大切なものに投資をしよう」を軸に戦略的な活用を行っています。特に特徴的なのは、金融機関としては珍しく他インフルエンサーの投稿を積極的に活用している点です。

証券会社の一方的な発信ではなく、実際のユーザーや専門家の視点を取り入れた多面的なコミュニケーションを実現しています。さらに、子育て世代や投資初心者層に向けて、投資の心理的ハードルを下げる共感型コンテンツを展開。

金融知識の提供に加え、ライフスタイルや価値観に寄り添う情報を発信することで、親近感と信頼感を高めています。

他アカウントの投稿を利用した独特の運用

マネックス証券では、金融情報をより親しみやすく伝えるために、UGC(ユーザー生成コンテンツ)とインフルエンサー施策を組み合わせたコミュニケーションを展開しています。

具体例として、Instagramでは「投資8年目、ようやくiDeCo始めました」などのユーザーのリアルな声や体験談を取り上げ、他のアカウントの投稿を引用・再共有する形で紹介。金融に関する情報が単なる宣伝ではなく、実際の利用者目線のストーリーとして届くようにしています。

さらに、育児イラストレーターと金融専門家を組み合わせた「子育てお金あるある」インスタライブを実施。視聴者からの質問にその場で答える双方向コミュニケーションを取り入れ、コミュニティ感を高めています。

ユーザーの声を活かしたUGC活用でオーセンティックな体験を提供し、インフルエンサーとのコラボで参加しやすい空気をつくることで、金融の堅いイメージを和らげているのがマネックス証券のアカウントの特徴です。

マルチプラットフォーム連携による包括的戦略

マネックス証券のInstagramは、投資未経験者や子育て世代向けの「トップ・オブ・ファネル」として機能する一方、既存投資家向けにはSNS「ferci」、プロ向けには「トレードステーション」のSNSビューアなどと連携し、顧客の投資行動全体をサポートしています。この多角的戦略により、新規顧客の獲得から既存顧客の維持、専門層への情報提供まで一貫したマーケティングポートフォリオを形成。さらにSNS上の偽アカウントや詐欺リスクにも配慮し、信頼性と親近感を両立した運用を実現しています。

ブランドビジョンに基づく共感型コンテンツ戦略

マネックス証券のInstagramは、金融商品の紹介にとどまらず暮らしに役立つお金の知識を幅広く届けることを軸に運用されています。プロフィールにも「暮らしに役立つお金の情報をお届け」「低収入&子育て中でも貯まる方法を発信中」と掲げており、実際の投稿では投資だけでなく、節約術や貯金の工夫、医療費控除や教育費に関する制度紹介など、日常生活に直結するテーマが数多く取り上げられています。

投資初心者や子育て世代といった潜在顧客にとっても、資産形成を身近で実践的なものとして感じやすくなる点が大きな特徴です。

短期的な商品の訴求に偏るのではなく、日常に役立つ情報を通じて長期的な信頼関係を築き、ブランド価値の向上と顧客育成につなげているといえるでしょう。

証券会社のInstagram活用事例④SMBC日興証券

SMBC日興証券 Instagramアカウント

SMBC日興証券のInstagramは、他の証券会社が投資や商品情報の発信を中心に展開しているのに対し、キャラクターコラボを活用したユニークな戦略を採用しています。サンリオの人気キャラクター「ポムポムプリン」とのコラボレーションを通じて、金融を難しいものではなく「かわいく、楽しく学べるもの」として表現。

投稿では「プリンのおしごと日記」や金融教育コンテンツを物語形式で発信し、子どもから大人まで幅広い層に親しみを持ってもらえる工夫が凝らされています。

親しみやすさを重視したキャラクターコラボレーション

SMBC日興証券のInstagramは、サンリオの人気キャラクター「ポムポムプリン」とのコラボレーションを前面に打ち出している点が大きな特徴です。アカウント内では「プリンのおしごと日記」と題し、プリンが証券会社で働きながら「お金の授業」や「マネーライフデザイン室での活動」などに挑戦する姿がストーリー仕立てで発信されています。

金融知識や証券業務を、子どもでも楽しめるキャラクターを通じて柔らかく表現することで、投資に馴染みのない層や若年ファミリー層にも親近感を持ってアプローチしているのです。実際の投稿文も絵文字を多用し、プリンが緊張しながらプレゼンをする様子などを描くことで、金融教育が楽しく、身近に感じられる工夫がなされています。

上記のような施策は、金融機関の長期的な金融リテラシー育成を目指した戦略的アプローチだといえるでしょう。

家族参加型イベントとの連動施策

Instagram活用はデジタル施策にとどまらず、リアルイベントとの連動にも生かされています。SMBC日興証券では、毎年夏に全国の支店で開催される「家族でワクワク体験DAY」が恒例イベントとして知られており、子ども向けの金融教育や親子で楽しめるアクティビティを提供しています。

Instagramではこのイベントの様子を紹介したり、プリンがイベントに登場するストーリーを発信したりすることで、フォロワーに参加を促す役割を果たしています。こうした取り組みは、オンラインとオフラインを融合させることで、企業ブランドとユーザーとの接点を多層的に設計している点が特徴です。

金融教育を「学ぶ場」だけでなく「体験する場」へと拡張し、その価値をInstagramで可視化することにより、親世代から子ども世代にまで広がるブランド体験を提供しています。

金融リテラシーを楽しく学べるSNS戦略

SMBC日興証券のInstagram戦略は、「投資の専門性」と「生活に役立つ知識」を、キャラクターを介してやさしく伝える点に強みがあります。さらに、日常生活で役立つお金の豆知識や制度解説をストーリー形式で発信することで、ユーザーが自然に金融知識を習得できるよう工夫されています。

vol.38では「NISAのつみたて投資枠」をテーマに、将来に備えてコツコツ投資を続ける大切さを紹介。NISAは、投資で得られた利益に通常かかる税金が非課税になる制度で、特につみたて投資枠は長期・少額・分散投資を支援するために設けられています。毎月決まった金額を投資信託などに積み立てることで、無理なく将来の資産形成を目指せるのが特徴です。

これはエンタメ要素にとどまらず、金融リテラシー教育を楽しく持続可能な形で提供する戦略です。結果として、投資未経験者や若年層だけでなく、教育を重視するファミリー層にまで幅広くリーチできる点が、SMBC日興証券のInstagram活用の最大の特徴といえるでしょう。

証券会社がInstagram運用で成果を出すための5つのポイント

Instagramを証券会社が有効に活用するためには、ただ情報を発信するだけでは不十分です。フォロワー設計、広告戦略、コンテンツ形式の使い分けなどを戦略的に行うことが重要になります。以下では、特に成果につながりやすい5つのポイントを整理します。

既存顧客を取り込むための導線設計

アカウントを立ち上げた直後は、ゼロから新規フォロワーを集めるよりも、まず既存顧客をフォロワーとして取り込むことが成果につながりやすいです。具体的には、証券会社が既に保有しているチャネルを活用し、メルマガやプッシュ通知、公式アプリ、他のSNSなどでInstagramの存在をしっかり告知することが効果的です。

既存顧客にフォローしてもらうことで、Instagramのアルゴリズムに「投資に関心のあるユーザー層」を学習させることができます。

まずは既存顧客基盤を活かしてフォロワーを獲得し、アカウントのターゲット属性を正しく育てることが、Instagram運用を成功に導くための第一歩です。

ファイマケ代表 苛原寛

初期のフォロワー構成は、その後のアカウント成長に大きく影響します。既存顧客を優先的に取り込むことで、Instagramが学習するユーザー属性が理想のターゲットに近づきます。結果として、広告配信やおすすめ表示で狙った層に届きやすくなり、長期的な運用効率が向上します。キャンペーンで懸賞目的のフォロワーを急増させる前に、まずは顧客基盤を活かした正しいフォロワー獲得が重要です。

キャンペーン依存を避け、ポストアドを活用したフォロワー獲得

Instagramでフォロワーを増やす施策として真っ先に思い浮かぶのはキャンペーンですが、証券会社の場合、これは必ずしも有効ではありません。懸賞やプレゼント企画を繰り返すと、どうしても「懸賞アカウント」と呼ばれる一過性のフォロワーが集まりがちで、投資や金融に関心を持つ層を育成することが難しくなります。

そのため、おすすめしたいのが「ポストアド(通常投稿を広告として配信する方法)」の活用です。例えば、投資初心者向けの分かりやすい解説投稿や、トレンドを踏まえた経済情報のまとめ記事などをまず用意し、それを広告として出稿します。

これにより、興味を持った人が自らフォローにつながりやすく、将来的に顧客化する可能性のあるフォロワーを効率的に獲得できます。

単なる数字のフォロワー数を追うのではなく、「投資に関心を持つフォロワーをどれだけ集められるか」という視点を持つことが、証券会社のSNS運用において欠かせない姿勢です。

リールとフィードの役割を明確に分ける

Instagramにはリールやフィード、ストーリーズといった複数のコンテンツ形式が存在しますが、それぞれ役割を意識して運用することが重要です。特に証券会社のように専門的な情報を発信する場合、情報の伝え方次第でフォロワーの反応は大きく変わります。

リールは短尺動画形式で、アルゴリズムにより多くの非フォロワーにも届く特徴があるため、冒頭数秒で強いインパクトを与えられる工夫が求められます。例えば「投資初心者がやりがちなミス3選」といった切り口で注意喚起を行えば、幅広い層に認知を広げることが可能です。一方でフィード投稿は、教育的な情報を体系的に伝えるのに適しています。

図解やインフォグラフィックを用いた分かりやすい説明、あるいは漫画形式で「投資を始めたばかりの人のストーリー」を描くなど、気軽に読み進められる工夫を加えると効果的です。こうして形式ごとの目的を明確化することで、幅広い層への認知拡大と、既存フォロワーの理解促進という二つの軸をバランスよく実現できます。

ファイマケ代表 苛原寛

Instagramは形式ごとに役割が明確に異なるため、戦略的な使い分けが成果を左右します。特にリールは拡散力が高く、非フォロワーへの認知獲得に有効ですが、冒頭数秒のクリエイティブ次第で再生率が大きく変わることを覚えておきましょう。

顧客視点を重視したコンテンツづくり

金融や証券に関する情報は専門的で難解になりやすく、そのまま投稿すると多くのフォロワーにとって理解が難しいものとなってしまいます。そのため、常に顧客視点に立ち、ユーザーが「自分にとって役立つ」と感じられるように設計することが大切です。

たとえば、投資初心者がよく抱える疑問をテーマにしたQ&A形式の投稿や、「NISAを始める前に押さえておきたい3つのポイント」といった実用的なまとめ投稿は、多くのフォロワーに刺さります。また、インフォグラフィックや短い解説動画を用いることで、専門的な情報も視覚的に理解しやすくする工夫が求められます。

さらに、投稿だけでなくストーリーズのアンケート機能を活用して「今気になる投資テーマ」をヒアリングすれば、双方向のコミュニケーションも可能です。

こうしたユーザーの目線を踏まえたコンテンツづくりは、単なる情報提供にとどまらず、フォロワーとの信頼関係を築き、将来的な顧客育成にもつながります。

データ分析と改善サイクルを継続する

Instagram運用は一度施策を実行したら終わりではなく、常に改善を繰り返して成果を積み重ねることが重要です。たとえば、どの投稿が保存やシェアされやすいのか、広告配信した投稿はどの程度フォロワー獲得に寄与したのかといったデータを定期的に振り返り、改善につなげることが不可欠です。

また、リールとフィードでエンゲージメントの高いテーマを比較すれば、今後重点的に発信すべきジャンルが見えてきます。さらに、証券会社ならではの特徴として、日々変動する市場環境に応じて情報の鮮度が重要になります。そのため、定期的な分析会議や外部運用代行会社との協力を通じて、柔軟に運用方針を見直す体制を整えることが望ましいでしょう。

データを基にした改善を継続すれば、単なる情報発信アカウントから「投資に役立つ信頼できる情報源」へと進化し、フォロワーとの長期的な関係構築につながります。

証券会社のためのInstagram運用ならファイマケにご相談ください!

証券会社におけるInstagram運用は、SNS更新のみにとどまらず、ブランド認知の拡大や投資初心者層への教育、既存顧客との関係強化といった多面的な目的を持つ戦略的施策です。しかし、金融商材特有の規制対応や、専門性とわかりやすさの両立、社内承認プロセスの煩雑さなど、他業界にはない課題が数多く存在します。

株式会社ファイマケは金融業界に特化したマーケティング支援会社として、これまでに2,000件以上の金融コンテンツ制作・SNS運用支援を実施してきました。Instagramにおいても、戦略設計から投稿企画、デザイン制作、広告運用、成果検証まで一貫してサポートし、確実に成果につながるアカウント運営を実現します。

すべてのコンテンツは金融知識を持つライターやFP資格保有者が作成し、代表の苛原(1級ファイナンシャル・プランナー)が監修を担当。法規制を踏まえつつ、投資未経験者にも伝わりやすいコンテンツ設計を徹底します。

「これからInstagramを立ち上げたい」「更新はしているが成果につながらない」といったお悩みをお持ちの証券会社さまも、ぜひ一度お問い合わせください。ファイマケが、御社のInstagram活用を中長期的な成長戦略へと導きます。


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