金融機関のオウンドメディア活用事例5選|始め方・SNS連携・コンプライアンス対応をプロが解説

「SNSは始めたが、オウンドメディアとの違いをうまく説明できない」「記事を書いても検索に出てこない」「少人数・未経験の体制でも始められるのか分からない」などといった悩みを抱えている金融機関の広報・マーケティング担当者は少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、金融業界に特化したSNS・コンテンツマーケティング支援を行う筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、証券・銀行・保険・カードの実在5事例をもとに、金融機関のオウンドメディア戦略の始め方・SNS連携・コンプライアンス対応までを一気通貫で解説します。

これから立ち上げを検討している方にも、すでに運用しているが成果が伸び悩んでいる方にも、参考にしていただける内容です。

株式会社ファイマケでは金融業界に特化したSNS運用支援を提供しています。
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この記事はこんな人におすすめ

・金融機関でオウンドメディアの立ち上げを検討しているが、何から手をつければよいか分からない方
・すでにオウンドメディアを運用しているが、更新が続かない・成果が見えないなど課題を抱えている方
・SNS運用は始めているが、検索経由の資産化ができていないと感じている方
・社内でオウンドメディアの必要性を説明し、稟議を通すための材料を探している方

この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

目次

なぜ金融機関がいまオウンドメディアに取り組むべきか

金融機関がいまオウンドメディアに取り組むべき理由は3つあります。

SNS単体では担いきれない機能がある

SNSは認知拡大・拡散に強い一方、プラットフォーム側の規約変更・アルゴリズム変更といった外部要因の影響を受けやすいという性質があります。金融機関のSNS運用では「金融ワード回避」(投資・副業等の直接ワードがリーチを落とす傾向)が常態化しつつあり、SNS単体では伝えたい専門情報を十分に届けきれない場面が増えている印象があります。

オウンドメディアは自社ドメインの検索資産として蓄積される点で、SNSとは補完関係にあるチャネルといえるでしょう。

ファイマケ代表 苛原寛

SNSでの発信は、プラットフォームの規約変更やアルゴリズム変更によって、それまで築いてきたフォロワーとの接点や投稿の表示範囲が急に変わってしまうことがあります。
一方でオウンドメディアは自社ドメインの検索資産として、記事を書けば書くほど積み上がっていく傾向があります。SNSで接点をつくり、オウンドメディアで検索資産として積み上げていく。この役割分担が重要だと感じています。

大手金融機関はすでに数年前から取り組んでいる

楽天証券は2017年に投資情報メディア「トウシル」を、マネックス証券は2018年に「マネクリ」を開始しており、大手証券会社はすでに5年以上にわたってオウンドメディアへの投資を続けています。生命保険業界でも、第一生命が2021年に「ミラシル」を開始するなど、大手各社がオウンドメディアへの投資を本格化させている状況がうかがえます。

先行する大手事例から設計のポイントを学べる一方、着手が遅れるほど検索エンジンでの評価の蓄積という点で差が広がりやすい構造がある点には注意が必要です。

SNSでの情報収集後、9割が何らかの行動を起こす

ファイマケが20〜70代の消費者200名を対象に実施した自社調査では、SNSで金融商品の情報収集をした経験がある人は77.0%、そのうち資料請求・口座開設の検討・問い合わせ・比較サイトでの再検索・家族友人への共有など、何らかの行動を起こした人は91.3%にのぼりました。

この「行動」の受け皿として機能するのが、検索エンジン経由で流入する自社オウンドメディアです。SNSで関心を持ったユーザーが、社名や商品名で検索した先に整った記事コンテンツがなければ、比較検討フェーズで離脱してしまう可能性が高くなります。

こうした動きの背景には、スマートフォンの普及によってユーザー自身が能動的に情報を検索する場面が増えていることがあります。特に若年層や新規顧客は、銀行の窓口や証券会社の店舗に足を運ぶ前に、ネット上である程度情報収集を済ませておく傾向があり、検索エンジンからの自然流入が重要な顧客接点になりつつあります。「住宅ローンの選び方」「NISAの基礎知識」といった、ユーザーが検索する具体的な悩み・疑問に応えるキーワードでコンテンツを用意しておくことが、こうした自主的な情報収集の受け皿として有効です。

金融機関のオウンドメディアで発信できる4つのコンテンツ類型

金融機関のオウンドメディアは、大きく4つの類型に整理できます。自社がどこから着手するかを決めることが、運用設計の出発点です。

①教育・啓蒙型

NISA・iDeCo・保険の基礎知識など、商品訴求ではなく金融リテラシー向上を目的にしたコンテンツです。

検索ボリュームが大きい一般ワード(「投資信託 初心者」等)を狙いやすく、YMYL(Your Money or Your Life:資産や健康など読者の人生に大きな影響を与えるテーマとして、Googleの検索品質評価ガイドライン上とくに信頼性が重視される領域)として信頼性の積み上げに向いています。

②専門家監修・インタビュー型

FP・専門家・社内の担当者へのインタビューや監修記事です。

E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness=経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字。Googleが検索品質評価ガイドラインでコンテンツの信頼度を判断する基準としており、YMYL領域ではとくに重視されます)の証明として機能し、著者・監修者情報を明示することで検索評価にも寄与する傾向があります。

③データ・ツール型

住宅ローンの返済シミュレーター、保険料の比較表、NISA積立額のシミュレーター、条件を入力して自分に合う商品を絞り込める検索ツールなど、ユーザーが自分の数値を入力して試算・比較できるコンテンツです。滞在時間・再訪率の向上に寄与しやすい形式です。

④商品接続型

「子どもの教育費はいくら必要か」「老後の生活費はどれくらいかかるか」といった暮らしの困りごとに答える記事の中で、自然な流れで関連する自社商品(保険・積立商品・ローン等)を紹介するコンテンツです。商品説明を前面に出さず、読者の悩みに答える記事としての体裁を保ちながら信頼形成を先に積む設計が求められます。

ファイマケ代表 苛原寛

4類型は排他的なものではなく、1本の記事の中で①の導入から④の接続へとつなげる設計も可能です。重要なのは、記事の目的(認知・比較検討・行動喚起のどこを担うか)を執筆前に決めておくことで、審査部門への説明もしやすくなる傾向があります。多くの金融機関で見受けられる失敗は、いきなり①〜④を並行して走らせてリソースが分散するパターンです。まずは①教育・啓蒙型から着手し、検索流入の土台ができてから②③④を段階的に追加する順序が、現実的で続けやすい設計といえるでしょう。

金融機関のオウンドメディア活用事例5選

ここからは、証券・銀行・地方銀行・生命保険・カード業界のオウンドメディア活用事例を5つ紹介します。

①マネックス証券「マネクリ」

マネックス証券は2018年10月から投資情報メディア「マネクリ」を運営しています。「マネー情報のクリップ」が名称の由来で、初心者向けコンテンツからマネックス証券アナリスト陣らによる各種レポート・市況概況・投資情報など、多数の投資情報コンテンツを発信しています。

また、資産形成・年金・相続など人生に必要なお金の知識や考え方なども発信しており、幅広いコンテンツが特徴です。

2023年時点で掲載記事数は約23,000本、月に平均250本のレポート・コラムを掲載していると公表されています。月250本という更新頻度は、社内リソースだけでは到底まかなえない量です。外部アナリスト・専門家を含めた執筆者体制が、量産と専門性の両立を可能にしている構造がうかがえます。

また、マネクリでは執筆者一覧ページを公開しており、マネックスグループの経営陣・チーフストラテジスト等の社内アナリストを「マネックス著者」、独立系アナリストやファイナンシャルプランナー・税理士等の社外専門家を「コラム著者」に分けたうえで、それぞれの肩書き・専門分野を明示しています。著者ごとに記事を検索することも可能です。

ファイマケ代表 苛原寛

誰が書いたかを読者が確認できる状態にしていることは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の信頼性の証としても有効であり、マネクリの著者情報公開は他社も参考にできる好事例です。

②りそなグループ「暮らしが変わるお金の勉強」

りそなグループは、「暮らしが変わるお金の勉強」というメディアを運営しています。記事は「資産運用」「キャッシュレス」「ローン」「備える」「その他」の5カテゴリに整理されており、NISA・iDeCoの基礎知識から住宅ローン・自動車ローン、相続・終活まで、ライフイベント全般を網羅する設計になっています。

「保険アドバイス診断」「投資をはじめてみよう!スタイル&商品診断」といった簡易診断ツールや、「銀行員に聞いてみた!気になる家計管理事情」のような行員インタビュー形式の記事も配置されており、専門知識の解説だけでなく、読者が自分ごととして読める・試せるコンテンツを組み合わせている点が特徴です。

ファイマケ代表 苛原寛

「金融商品の説明をしない記事」で信頼を先に積むという設計思想は、証券・カード・保険などオウンドメディアにも応用可能です。「商品名で検索されるのを待つ」のではなく、「困りごとのワードで検索する層」を先に取り込む発想として参考になります。

③横浜銀行「ハマシェルジュ」

横浜銀行は、コラムサイト「ハマシェルジュ」を運営し、「あなたのお金と暮らしのそばに。」をテーマに、資産形成・ローン・保険・キャッシュレスなどに関する記事を継続的に発信しています。

記事には「#資産形成」「#住宅ローン」「#NISA」といったテーマタグに加えて、「#20代」「#30代」「#40代」「#50代」「#子育て世代」といったライフステージタグが付与されており、テーマ×ライフステージの掛け合わせで、読者が自分の状況に近い記事を探しやすい設計になっています。また、タグによって読者は知りたいテーマを簡単に横断できる構造になっています。

また、記事のまとめとして自社サイトやアプリへ接続する構成をとっており、読み物と自社サービスの導線を直接つなぐ設計が見られます。

ファイマケ代表 苛原寛

ハマシェルジュのタグ設計は、「同じNISAというテーマでも、20代と50代では悩みが違う」という当たり前だが見落としがちな視点を、サイト構造に落とし込んでいる点が参考になります。テーマだけでなく年代・ライフイベントという軸を掛け合わせたタグ設計は、読者を絞り込んで検索流入を取りにいく際にも応用できる考え方です。

④第一生命「ミラシル」

第一生命は2021年12月にオウンドメディア「ミラシル」を開始しました。ミラシルは「人と暮らし」「健康」「お金」「保険」の4つの体験価値領域でコンテンツを展開しており、「夏バテ症状チェックリスト」「飲みすぎで気持ち悪いときの対処法」「アニマル占い」など、保険に直結しない「教育・啓蒙型」の記事が多い印象です。また、イベントやキャンペーンの紹介ページも設け、ミラシル限定のイベント・キャンペーンの応募を実施しています。

また、第一生命で働く社員やダンサー、スポーツ選手のインタビューなど「専門家監修・インタビュー型」の記事も多数掲載されています。

⑤楽天カード「みんなのマネ活」

楽天カードは2022年に、従来運営していた女性向けメディア「美人のマネ活」とクレジットカード活用術メディア「Fun Pay!」を統合し、「みんなのマネ活」としてリニューアル公開しました。

複数の切り口で運営してきたメディアを1つのブランドに束ね、「みんなでつくる、暮らしのマネーメディア」という編集方針を明確化した点が特徴です。キャッシュレス・税金・保険といった生活情報から、投資・蓄財に関する情報まで、幅広いテーマを1つのドメインに集約しています。

コンテンツの中身を見ると、「特集・インタビュー」カテゴリでは、不動産投資家「もふ社長」さんや、着ぐるみキャラクターとして株主優待生活を発信する「仔馬の優待生活さん」、結婚とお金のプロ・稲村優貴子さんなどを起用したインタビューを継続配信しています。専門家の解説記事にとどめず、読者が親近感を持てる人物を通じて金融トピックを届ける設計になっている点が特徴です。

クイズ」コーナーも学びになる工夫です。「あなたはいくつできている?セキュリティ対策クイズ」のように、全3問程度の選択式クイズで気軽に知識を試せる形式になっており、正解・解説の後にはカード申し込みや返済シミュレーションへの導線が自然に置かれています。クイズのテーマも「税金」「NISA・つみたてNISA」「ポイ活」など多岐にわたり、記事を読ませるだけでなく参加型のコンテンツで滞在時間・再訪率を高める工夫がうかがえます。

オウンドメディアの成功パターンと失敗パターン

成功しているオウンドメディアは共通して「編集体制」「更新頻度」「審査フローの型化」の3点が整っているという傾向です。この3点は、後述する「自社メディア診断の4つのチェックポイント」のうち①〜③にそのまま対応しています。ここでは、更新が止まる典型的な失敗パターンを2つ確認したうえで、この3点を含めた自社メディアの現在地を診断するための4つのチェックポイントを紹介します。

失敗パターン①|PVが稟議の説得材料にならない

商品告知の繰り返しに終始し、PVを稟議の説明材料に使えないまま更新が止まるパターンが、失敗としてよく見受けられます。SNS運用で「フォロワー数だけでは稟議が通らない」という課題があるのと同様に、オウンドメディアでも「PVだけでは稟議が通らない」という壁にぶつかりやすい構造があります。

CV(資料請求・問い合わせ・口座開設検討等)への寄与を分けて計測できていないと、経営層への説明が「アクセスは伸びているが成果は不明」という状態に陥りがちです。

なお、PV・CV指標に加えて、既存記事そのものを営業提案資料・稟議資料に転用するなど、社内向けの説明資料として直接活用する方法も、稟議を通すうえで効果的です。

失敗パターン②|担当者の異動で更新が止まる

もう一つの典型的な失敗は、担当者の異動や兼務化によって更新が途絶えるパターンです。マネックス証券の事例のように、外部の伴走支援や複数名の執筆体制を組んでいるメディアほど、担当者の異動に左右されず継続運用できている傾向があります。

自社メディア診断の4つのチェックポイント

自社のオウンドメディアの現在地を診断する際は、①直近3か月の更新頻度、②編集方針が文書化されているか、③審査フローが型化されているか、④PV以外のCV指標を計測しているか、の4点を確認しましょう。4点のうち2つ以上が「できていない」場合は、体制面から見直す余地があります。

ファイマケ代表 苛原寛

オウンドメディアの継続を阻む最大の要因は「始めること」ではなく「続けること」です。担当者1名の熱量だけに依存した運用は、異動・繁忙期ですぐに止まります。
編集方針の明文化と審査フローの型化で属人化を防ぎつつ、担当者が1人で抱え込まずに済むよう外部パートナーと役割分担しておくことも欠かせません。この3点を立ち上げ時点で設計しておくことが、1年後もオウンドメディアが動いているかどうかを分けると考えています。

金融機関がオウンドメディアを始めるための実践ステップ

ステップ1|体制を決める

内製・外部委託・ハイブリッド(方針は外部、日々の運用は内製など)のいずれかを選びます。

内製は自社の商品知識やブランドトーンを反映しやすい一方、担当者の異動や兼務化で更新が止まるリスクを抱えやすい傾向があります。外部委託は専門知識や執筆リソースを確保しやすい反面、金融業界特有の規制知識が浅い委託先だと差し戻しが増えるリスクがあります。ハイブリッドは両者の弱点を補い合える設計ですが、外部・内部の役割分担を事前にすり合わせておく必要があります。

ステップ2|KPIを設計する

PV・検索順位だけでなく、資料請求・問い合わせ・口座開設検討といったCVへの寄与を分けて計測する設計にします。開始3か月はPV・検索順位、その後は流入からのCV率を段階的に見る2段階のKPI設計が現実的です。

ステップ3|着手するコンテンツ類型を決める

4類型(教育・啓蒙型/専門家監修・インタビュー型/データ・ツール型/商品接続型)のうち、どこから着手するかを決めます。全類型を同時に狙わず、1類型に絞って3〜6か月運用し、軌道に乗ってから追加する順序を推奨します。

ステップ4|審査フローを設計する

個別記事ごとに都度審査を仰ぐのではなく、着手前に「言えること・言えないこと」を型として合意しておく設計が有効です。

具体的には、①「金利・利回りの表示」「他社比較」「顧客の声・体験談」「専門家監修コメント」といったテーマ軸ごとにOK表現・要審査表現・NG表現を一覧化した表現可否マトリクスを法務・コンプライアンス部門と事前に作成する、②個別記事ごとではなく月単位でテーマ・記事案をまとめて一括承認を得るフローに移行する、③外部委託先を活用する場合は委託先管理規程を整備する、の3点が有効です。根拠となる法令は銀行法・金融商品取引法・保険業法・景品表示法など業態によって異なるため、自社の業態に応じた法令を確認したうえでマトリクスに反映することが前提になります。

金融機関のオウンドメディアで押さえるべきE-E-A-Tのポイント

金融・資産・健康というジャンルは、検索品質評価ガイドライン上のYMYL(Your Money or Your Life)領域に分類される傾向があります。個別のSNS投稿以上に、記事単位でE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が問われる構造にあるため、以下の3点を押さえる必要があります。

①著者・監修者情報の明記

資格・経歴を含むプロフィールを、記事本文の末尾に著者ボックスとして明示することをお勧めします。氏名・保有資格(FP・税理士・社会保険労務士等)・所属・経歴を最低限記載し、著者名から専門分野の記事一覧に遷移できるリンク構造にしておくと、読者だけでなく検索エンジンからも「誰が書いたか」を判断しやすくなります。

マネックス証券「マネクリ」は、社内アナリストを「マネックス著者」、外部専門家を「コラム著者」に区分したうえで著者ごとのプロフィールページを公開しており、信頼性の裏付けとして機能させています。

監修者を立てる場合も、監修者の資格・専門分野を著者情報と同様に明記することが望ましいです。

ファイマケ代表 苛原寛

金融記事は「誰が書いたか」が読者の安心材料になります。著者情報を匿名化したまま量産すると、検索エンジン・読者双方からの信頼を積み上げにくい構造があります。執筆者の顔が見える設計にできるかどうかが、金融オウンドメディアのE-E-A-T設計において重要です。

②一次情報・公的統計の出典明記

自社調査・公的統計を引用する際は、調査の実施主体・標本規模・実施時期を本文中に併記することをお勧めします。数値だけを提示するのではなく「誰が・いつ・何人に対して」調べた結果かをセットで示すことが、YMYL領域における信頼性の担保につながります。

官公庁統計や業界団体の公表データを引用する場合も、一次情報(公式発表元)に直接リンクし、他サイトを経由した孫引きの数値をそのまま転載しないことが望ましいです。

③更新日・鮮度管理とAI検索対応

金利・税制・法令改正は数年単位で変わるため、記事の公開日に加えて更新日を明記し、内容が古くなっていないかを定期的に見直す体制を持つことが求められます。

近年はChatGPT・Geminiなどの生成AIで調べものをする読者も増えており、AIに記事の内容を正しく参照してもらうための工夫も必要になってきています。具体的には、見出しを読者の疑問に対応する形(例:「NISAとは?」)にする、本文の要点を箇条書きでまとめる、数値や統計の出典を明記する、といった対応です。

こうした「読みやすく整理された記事構造」は、人間の読者にとっての分かりやすさと、生成AIが記事の内容を正しく引用しやすくなることの両方につながると考えられます。

金融機関のオウンドメディアにおけるSNSとの連携設計

SNSとオウンドメディアは対立する選択肢ではなく、役割の異なる2つのチャネルとして併走させる設計が現実的です。SNSは認知・拡散を担うフロー型のチャネルであり、オウンドメディアは検討・比較を担うストック型の資産です。

記事とSNSを相互につなぐ導線設計

SNS投稿で扱った内容をオウンドメディア記事として深掘りし、記事URLをSNSのプロフィール欄・投稿内リンクに設置する「SNS→記事」の導線と、記事内にSNSアカウントへのリンクを設置する「記事→SNS」の導線を両方設計することが望ましいです。

コンテンツカレンダーの一本化

SNS投稿と記事公開のテーマ・公開時期を1枚の計画表(コンテンツカレンダー)にまとめて管理することで、編集会議・審査フローも一元化できるという実務上のメリットがあります。

SNS担当とオウンドメディア担当の連携体制

SNS担当とオウンドメディア担当が別部署・別チームに分かれている金融機関では、月次でテーマをすり合わせる定例の場を設けるだけでも、両チャネルの連動性が高まる傾向があります。

ファイマケ代表 苛原寛

SNSは「告知チャネル」、オウンドメディアは「行動が起こる場所」。この役割分担を経営層に説明できるかどうかが、両チャネルへの予算配分の合意形成を左右します。SNSだけに予算を寄せると、認知は取れても比較検討フェーズで他社に流れてしまうリスクがあると考えています。

金融機関のオウンドメディア運用代行はファイマケへ

金融機関のオウンドメディアは、SNSと役割を分けたうえで「編集体制」「審査フローの型化」「E-E-A-T設計」に踏み込めるかどうかが、検索資産としての成長を左右する分かれ目となります。

株式会社ファイマケは、金融業界に特化したSNS・コンテンツマーケティング支援会社であり、金融コンテンツ制作実績は累計1万件以上にのぼります。代表の苛原寛が、オウンドメディアの戦略設計・編集体制の構築から、銀行法・金商法・保険業法・景表法への実務対応とコンプライアンス部門との合意形成まで、一気通貫で伴走します。

「社内にオウンドメディアのノウハウがない」「コンプライアンス対応で記事の審査が止まる」「少人数で始められるか不安」など、どの段階でもお気軽にご相談ください!

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著者情報

苛原 寛のアバター 苛原 寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。
制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。
著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

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