ファクタリング事業者のSNS活用はどう始める?発信内容・法規制・活用事例をプロが解説!

「テレアポと比較サイトだけでは、新規の資金繰り相談が頭打ちになってきた」「SNSの活用を検討することになったが、『即日』『審査なし』という営業トークをそのまま投稿してよいのか、社内で判断できる基準がない」といった悩みを、ファクタリング事業者のSNS・マーケティング担当者から伺うことは少なくありません。

本記事では、金融業界に特化したSNS運用支援を行う筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、ファクタリング事業者がSNSで発信できるテーマの整理から、法令・表示上の確認ポイント、実在事業者のSNS活用事例、投稿前に確認しておきたいポイントまでを解説します。

株式会社ファイマケでは金融業界に特化したSNS運用支援を提供しています。
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この記事はこんな人におすすめ

・ファクタリング事業者でSNS運用を任されたものの、何を発信すればよいか決めきれていない方
・投稿内容が法規制や広告表示のルール上問題ないか、判断する基準を持っていない方
・同業他社がSNSで実際にどのような発信をしているのかを知りたい方
・事業性ファクタリングと給与ファクタリングの違いを、発信の中でどう説明すべきか整理したい方

この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

目次

なぜ今、ファクタリング事業者にとってSNS活用が選択肢になるのか

ファクタリング事業者がSNS活用を検討する理由は、大きく3つに整理できます。既存チャネルでは自社の違いが伝わりにくいこと、金融商品の情報収集でSNSが入口となる場合があること、そして、SNSを通じて自社のサービス内容や考え方を継続的に伝えられることです。順に見ていきます。

①既存チャネルでは自社の違いが伝わりにくいため

一部のファクタリング事業者からは、新規の資金繰り相談の入口がテレアポと比較サイト経由の問い合わせに偏っている、というお話をうかがうことがあります。

この構造で考えておきたいのが、比較メディア経由の流入の性質です。「ファクタリング」「ファクタリング 手数料」などの関連キーワードでは、比較・ランキング型のコンテンツが見られます。こうしたページでは、手数料率や入金スピードなど、比較しやすい情報が紹介されることがあります。

そのため、比較メディア経由で自社を知ってもらえたとしても、読者に伝わる情報が限られた比較軸にとどまる可能性があります。どのような債権を対象にしているのか、何を確認してから買い取るのか、相談後にどのような流れで進むのかといった自社のサービス内容は、比較メディアだけでなく、SNSやWebサイトなどで補足的に伝えることが重要です。

②SNSが情報収集の入口になる場合があるため

では、比較メディア以外にどこで接点を持つか。ここで参考になるのが、金融商品全般の情報収集行動です。ファイマケが20〜70代の消費者200名を対象に実施した自社調査では、SNSで金融商品の情報収集をした経験がある人は77.0%、そのうち資料請求や問い合わせ、比較サイトでの再検索など、何らかの行動を起こした人は91.3%にのぼりました。

ただし、この調査は一般消費者を対象としたものであり、ファクタリングの利用を検討する経営者・個人事業主の行動を直接調べたものではありません。あくまで、金融というジャンルにおいて、SNSが情報収集の入口として機能している層が一定数存在することを示す参考情報として捉えるのが適切です。 

③自社のサービス内容や考え方を継続的に伝えられるため

ファクタリング事業者のSNS活用では、単にサービスを知ってもらうことだけを目的にする必要はありません。手数料や入金までの流れ、必要書類、対応できる債権の種類などを継続的に発信しておくことで、相談前に自社のサービス内容を理解してもらうきっかけをつくれます。

SNSを新たな問い合わせ窓口として捉えるだけでなく、相談前の情報提供を担う接点として設計できる点も、SNS活用を検討する理由の一つです。

ファクタリング事業者がSNS発信で確認すべき法令・表示のポイント

SNS発信で現場担当者が判断に迷いやすいのは、自社の取引をどう説明するか、そして営業トークをどこまで投稿に転用してよいかという点です。この章では、事業性ファクタリングと貸金業の関係、給与ファクタリングに関する裁判所の判断、広告表示で確認すべきポイントを順に整理します。

事業性ファクタリングは貸金業に該当する?|契約形式だけで判断しないことが重要 

一般に、事業性ファクタリングは、企業などが保有する売掛債権を買い取る「債権譲渡」として行われます。金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」の中で、ファクタリングについて、売掛債権の売買契約として説明しています。ただし、契約書に「債権譲渡」と書かれていれば、必ず貸金業に該当しないとは限りません。形式上は債権の売買であっても、取引の実態によっては、貸付けに該当すると判断される可能性があります。 

取引実態を確認する際には、例えば次のような点が参考になります。

  • 買取代金、手数料、売掛債権の額面金額の関係がどのようになっているか
  • 売掛債権の買戻しが求められる契約になっていないか 
  • 売掛先から支払いを受けられない場合に、売主が支払う必要があるか 
  • 売掛金を回収できなかった場合の責任を、誰が負うことになっているか 

ただし、これらは取引の適法性を機械的に判定するチェックリストではありません。契約書の名称や一つの条件だけで判断せず、契約内容や当事者間の責任分担など、取引全体の実態を確認する必要があります。 そのため、SNSで「事業性ファクタリングは貸金業ではない」と発信する場合も、一律に断定するのではなく、自社のサービス内容に即して説明することが重要です。どのような債権を対象に、どのような条件で買い取るのかを明確にし、必要に応じて専門家や社内の法務・コンプライアンス担当者に確認したうえで投稿しましょう。 

給与ファクタリングは貸付けに該当|最高裁判決の対象を正しく理解する 

事業性ファクタリングとは別に整理しておきたいのが、給与ファクタリングです。これは、個人が勤務先に対して有する賃金債権を、給与支払日前に業者が買い取るとされる取引を指します。 

この取引について、最高裁判所第三小法廷は2023年2月20日、給与ファクタリングについて、貸金業法第2条第1項および出資法第5条第3項にいう「貸付け」に当たると判断しました。

金融庁も前述の注意喚起の中で給与ファクタリングを取り上げ、手数料が年率換算で高額となる場合があるとして、利用しないよう呼びかけています。ただし、この最高裁決定は給与ファクタリングに関する判断です。事業性ファクタリングについて同じ結論が一律に導かれるわけではありません。事業性ファクタリングであっても、取引の実態によっては貸付けに該当する可能性があるため、自社の契約条件や資金の流れを個別に確認する必要があります。

 SNSで両者の違いを説明する際も、裁判所の判断内容と、自社の取引がどのようなものかを分けて説明することが、誤解を生まない書き方になります。 

ファイマケ代表 苛原寛

ファクタリングに関するSNS発信では、事業性ファクタリングと給与ファクタリングを混同させないことが重要です。裁判所や行政機関が示している内容を確認したうえで、自社のサービスがどのような取引に当たるのかを整理し、発信する情報と確認が必要な表現を社内で共有しておく必要があります。法規制を理由に発信を控えるのではなく、正確に説明できる範囲を明確にすることが、継続的なSNS運用につながります。

「即日」「審査なし」の表示|サービス条件と適用法令を確認 

現場のSNS担当者が判断に迷いやすいのが、「即日」「審査なし」といった営業トークをそのままSNS投稿に転用してよいかという点です。ここでは、適用される法令と、実際のサービス条件との一致を分けて考える必要があります。

まず、貸金業法上の規制が適用されるかどうかは、取引の実態や事業者の法的位置づけによって異なります。 一方で、「審査なし」「必ず買い取る」など、実際のサービス条件と異なる表示や、利用者に実際よりも有利なサービスであると誤認させる表示は、景品表示法等の観点から問題となる可能性があります。

景品表示法では、商品・サービスの内容が実際よりも著しく優良であると誤認される表示や、取引条件が実際よりも著しく有利であると誤認される表示が規制されています。 また、取引の実態によって貸金業に該当する場合には、貸金業法上の規制が問題となることもあります。 そのため、SNS投稿では、法令の適用関係だけでなく、実際のサービス条件と表示が一致しているかを確認することが重要です。

例えば、実際には売掛債権の内容や売掛先の情報などを確認しているにもかかわらず、「審査なし」と表示すると、サービスの実態と表示が一致していないと受け取られる可能性があります。また、一定の条件を満たした場合にのみ即日対応が可能であるにもかかわらず、「誰でも即日資金化できる」かのように表示することも注意が必要です。「即日資金化に対応できる場合があります。債権内容や必要書類の確認により、対応できない場合があります」のように、実際の対応条件や例外を明示する方法が考えられます。

なお、これらの表現が問題となるかどうかは、表示の内容、実際のサービス条件、表示方法などによって異なります。表現の使用可否は、個別の事実関係を確認したうえで判断してください。 

ファイマケ代表 苛原寛

「即日」「審査なし」という表現は、SNS上で目を引きやすい一方、実際のサービス条件と一致しているかを確認する必要があります。早さだけを訴求するのではなく、どのような債権を対象に、何を確認したうえで買い取るのかを説明することで、自社のサービス内容を正確に伝えられます。投稿前に確認すべき表現と、条件を明示すれば使用できる表現を社内で整理しておくことが、継続的なSNS運用につながります。 

士業・インフルエンサーへの発信委託|ステマ規制への対応

第三者に発信を委託する場合に関係するのが、ステルスマーケティング規制です。事業者が第三者に表示内容の作成・発信を依頼し、その表示が広告であると一般の消費者に分かりにくい場合には、ステルスマーケティング規制の対象となる可能性があります。対価の提供を含め、事業者と発信者の関係性を確認したうえで、広告・宣伝であることが分かる表示を検討する必要があります。具体的な表示方法は、投稿の内容や媒体の仕様などを踏まえて確認してください。

ファクタリング業態では、税理士・中小企業診断士等が紹介元となる場合もあります。紹介手数料などの対価関係がある相手に発信を依頼する場合は、事業者との関係性や発信内容への関与を整理し、広告・宣伝であることが分かる表示が必要かを事前に確認することが重要です。委託先ごとに対価関係の有無を整理し、一覧化しておく運用が現実的です。

表現基準を整理し、投稿前の確認を効率化する

あらかじめ以下のような項目を整理しておくと、投稿内容を確認しやすくなります。

  • 使用できるサービス説明や訴求表現
  • 実際の条件と一致しているか確認が必要な表現
  • 使用を避ける表現
  • 事例や利用者の声を掲載する際の確認事項
  • 投稿前に確認する担当者や確認手順

重要なのは、表現基準を作成することだけではありません。投稿内容が実際のサービス内容や契約条件と一致しているかを、投稿前に確認できる体制を整えることです。基準を社内で共有しておけば、担当者による表現のばらつきを抑えながら、投稿前の確認を効率化できます。

ファクタリング事業者のSNS活用事例2選

ここでは、ファクタリング事業者が運用するSNSアカウントを2社紹介します。

①ビートレーディング|複数チャネルの役割分担

株式会社ビートレーディングは、X、Instagram、TikTok、YouTubeの4チャネルを運用しています。

公開されている投稿内容を見ると、Xではファクタリング申込時の必要書類やファクタリングの活用方法、経営者の資金繰り支援に関するコラムなどを発信しています。

一方でInstagramは、新卒・中途社員のインタビューやオフィス紹介など、採用広報色の強い投稿が多く見られました。

このように、同社は複数のSNSを運用しながら、各チャネルで同じ内容を繰り返し発信するのではなく、サービスに関する情報発信と採用広報など、目的に応じて発信内容を分けています。

ファイマケ代表 苛原寛

ファクタリング事業者が複数のSNSを運用する場合も、すべてのチャネルで同じ投稿を展開するのではなく、「どのチャネルで、誰に、何を伝えるのか」を整理したうえで役割を分けることが重要です。
特に、サービスに関する情報発信だけでなく、採用や企業理解につながる情報も含めて発信することで、SNSを単なる集客ツールとしてではなく、事業者への理解を深める接点として活用する考え方も参考になります。

②アクセルファクター|独自の訴求軸と長文記事でサービス理解を促す

株式会社アクセルファクターは、Xで発信しています。認定経営革新等支援機関であることを掲げつつ、自社を「卒業前提のファクタリング」と位置づけ、将来的な銀行融資への移行を見据えたサービス方針を示している点が特徴です。

同社のXでは、サービスの考え方を伝える投稿に加えて、ファクタリングや資金繰りに関する情報を詳しく解説する長文記事も複数投稿されています。短い投稿で独自のサービス方針を伝え、詳しい内容は記事で補足することで、Xを入口としてサービス理解を深める導線を設けていると考えられます。

手数料や入金スピードだけでなく、自社がどのような資金繰り支援を目指しているのかを言語化し、その背景を長文記事で補足している点が特徴です。

ファイマケ代表 苛原寛

ファクタリング事業者がSNSを運用する際も、サービスの特徴を短く伝える投稿と、制度・資金繰り・利用時の注意点などを詳しく解説する記事を組み合わせることで、認知から理解、問い合わせへつなぐ導線を検討しやすくなります。

ファクタリング事業者がSNS発信で押さえたい3つのポイント

前章の事例を踏まえ、ファクタリング事業者がSNS発信を始める際に整理しておきたい設計ポイントを3つ紹介します。対象顧客の明確化、チャネルごとの役割分担、そして訴求軸の設定です。 

①対象顧客の明確化|「中小企業全般」ではなく優先セグメントを定める 

自社の主要顧客層や、今後特に接点を増やしたい顧客層を明確にすることが起点になります。「中小企業全般の資金繰りを支援します」という幅広いメッセージは、多くの事業者を対象にできる一方、発信テーマを決める際に焦点が定まりにくくなる場合があります。

まずは自社の主要顧客層や、今後特に接点を増やしたい顧客層を整理し、そのセグメント特有の状況(支払いサイトの長さ、繁忙期の立替負担など)を言語化するところから始めるとよいでしょう。

②複数チャネルの役割分担|採用広報・サービス解説・日々の情報発信を整理する 

ビートレーディングのように複数チャネルを運用する場合は、チャネルごとの発信内容や目的を整理する設計が考えられます。例えば、Instagramは採用広報、YouTubeはサービスや資金繰りの解説、Xは日々の情報発信というように、チャネルごとに役割を分けると、それぞれのプラットフォームの形式に合わせて発信内容を設計しやすくなります。

必ずしもチャネルごとに内容を完全に分ける必要はありません。同じテーマを発信する場合も、媒体ごとに見せ方や次の行動を調整することが重要です。ただし、複数のチャネルを開設していても、更新状況や発信量に差が出る場合があります。着手するチャネル数は、更新を継続できる体制に合わせて決めることが現実的です。

③訴求軸の設定|手数料・スピード以外に語れる軸を持つ

比較メディアでは、手数料率や入金スピードが比較項目として取り上げられることが多くあります。自社のSNSで同じ軸だけを訴求すると、比較メディアの情報と重なりやすくなります。

アクセルファクターの「卒業前提」という打ち出し方のように、どのような債権を対象にしているか、何を確認してから買い取るか、どのような事業者の課題に対応したいのかといった、自社の特徴や考え方を伝える軸を1つ持っておくと、発信テーマを組み立てやすくなります。

ファクタリング事業者がSNSで発信できるテーマ

発信の対象とチャネルが決まったら、次に決めるのが具体的な投稿テーマです。サービスの紹介だけでなく、ファクタリングの仕組みや資金繰りに関する情報など、利用を検討する人が知りたい情報を扱う方法があります。ここでは、5つの方向に分けて整理します。

なお、実際に提供していないサービスや、対外的に説明していない審査基準を投稿で例示しないよう、発信テーマの一覧をつくる段階で社内確認をしておくと安全です。

①ファクタリングの仕組み|取引の流れと種類

サービスを検討する前段階の読者に向けて、ファクタリングの仕組みや取引の流れを説明するテーマです。

  • 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
  • 売掛債権を買い取る仕組み
  • 申し込みから入金までの流れ
  • ファクタリングを利用する際に確認したいこと

②費用・契約条件|手数料と利用条件の考え方

問い合わせ前に読者が確認したい、費用や契約条件に関するテーマです。金額や割合を示す場合は、自社が実際に提示している条件と一致しているかを必ず確認してください。

  • 手数料の考え方
  • 買取可能な債権の条件
  • 必要書類
  • 申込時に確認される事項
  • 入金までの流れや所要時間

「審査時に確認する項目」については、実際に対外説明している内容に限って発信することが重要です。一般的な審査基準を例示する場合も、自社の審査内容と誤認されないよう注意しましょう。

③資金繰りの情報|ファクタリング以外も含めた周辺知識

まだファクタリングの利用を検討していない層にも届きやすいテーマです。自社サービスの直接的な訴求から少し離れ、事業者が抱える資金繰りの悩みを起点に情報を発信できます。

  • 支払いサイトが長い場合の資金繰り
  • 売掛金の回収管理
  • 運転資金の考え方
  • 資金調達手段の違い
  • ファクタリングを利用する前に確認したいこと

④自社のサービス方針|対応範囲と利用までの流れ

自社の特徴やサービス方針を、具体的な投稿に落とし込むテーマです。

  • 対応している業種
  • 対応可能な債権
  • 相談から契約までの流れ
  • 問い合わせ前に準備するもの
  • 自社が重視している説明方針やサポート内容

ここでは、実際に対応している業種・債権・手続きのみを紹介し、すべての事業者に当てはまるような表現は避ける必要があります。

⑤採用・企業情報|事業者としての姿勢を伝える

ビートレーディングのInstagramのように、採用広報を軸にする選択肢もあります。サービスに関する投稿とは目的を分け、企業や働く人の姿を伝えるテーマです。

  • 社員紹介
  • 仕事内容
  • オフィス紹介
  • 仕事への考え方
  • 企業としての取り組み
ファイマケ代表 苛原寛

5つすべてのテーマを扱う必要はありません。自社の顧客層やサービス内容、運用体制に合わせて、どのテーマを中心に発信するかを決め、実際のサービス内容と一致した発信を継続することが重要です。

SNS・Webサイト・広告を組み合わせた活用方法

SNSは、認知や情報提供の場として活用できる一方、サービス内容を詳しく確認するWebサイトや、相談・申込を受け付ける窓口と組み合わせることで、役割を分担できます。

ここでは、SNSを単独で運用するのではなく、Webサイトや広告などの既存施策と組み合わせる際の考え方を整理します。

SNS・Webサイト・問い合わせ窓口の役割を分ける

ファクタリング事業者の集客では、SNSですべての情報を伝えようとするのではなく、顧客の行動段階に応じて接点の役割を分けることが重要です。

例えば、以下のように整理できます。

接点主な役割
SNS認知・情報提供・サービスへの関心喚起
Webサイト・オウンドメディアサービス内容・利用条件・注意点の確認
問い合わせフォーム・電話個別相談・申込に向けた対応

SNSでは、資金繰りに関する情報やファクタリングの基本的な仕組み、自社のサービス方針などを発信します。そのうえで、SNSの投稿だけでは伝えきれない手数料、対象となる売掛債権、2社間・3社間の違い、利用までの流れなどをWebサイト側で詳しく説明します。

評価にあたっては、直接の問い合わせ件数だけで判断するのではなく、目的に応じて閲覧数、プロフィール遷移、Webサイトへの流入、問い合わせ件数などの指標を使い分けます。

SNSとWebサイトの役割分担|投稿と詳細情報を使い分ける

SNSの投稿は、表示形式や情報量に制約があるため、サービス内容や契約条件をすべて説明することには向きません。

そのため、SNSでは要点を簡潔に伝え、詳しい情報はWebサイトやオウンドメディアで確認できるようにしておく方法が考えられます。

例えば、SNSでは次のような内容を発信します。

  • ファクタリングの基本的な仕組み
  • 資金繰りに関する一般的な情報
  • 自社のサービス方針
  • 相談から契約までの流れ
  • 利用前に確認しておきたい事項

一方、Webサイト側では、以下のような情報を整理しておくと、SNSから訪れた人がサービス内容を確認しやすくなります。

  • 対象となる売掛債権
  • 2社間・3社間の取引区分
  • 手数料や契約条件
  • 必要書類
  • 申込から入金までの流れ
  • 給与ファクタリングとの違い
  • 問い合わせ・相談の方法

ただし、SNSからWebサイトへ誘導する場合も、投稿内容とWebサイトの説明に食い違いが生じないように注意が必要です。

リスティング広告とSNSの使い分け|検索している人と検索前の人への接点を分ける

リスティング広告は、「ファクタリング」などのキーワードで検索している人に対する接点として活用できます。一方、SNSは、まだファクタリングを具体的に検索していない人にも、投稿が届く可能性があります。

そのため、両者はどちらか一方に置き換えるというより、役割を分けて考える方法があります。

  • リスティング広告:検索している顕在層との接点
  • SNS:サービスや資金繰りに関する情報を届ける接点
  • Webサイト:サービス内容や利用条件を確認する場所
  • 問い合わせ窓口:個別相談や申込につなげる場所

SNSで発信した内容をWebサイトの詳しい解説につなげたり、検索広告から訪れた人にSNSの発信を見てもらったりすることで、各接点の役割を整理できます。

ただし、すべてのチャネルを同時に導入する必要はありません。自社の顧客層、予算、運用体制に合わせて、優先順位を決めることが大切です。

ファクタリング事業者のSNS活用に関するよくある質問

Q1. 給与ファクタリングとの違いをSNSで説明するとき、何に注意すべきですか?

給与ファクタリングとの違いを説明する際は、自社の取引内容や契約関係を正確に伝えることが重要です。「給与ファクタリングはすべて違法」「自社は他社より必ず安全」など、対象や根拠が曖昧な断定表現は避けましょう。

また、他社名を挙げて比較する場合は、比較対象のサービス内容や表示の根拠を確認し、誤認を招く表現や、他社を不当に貶める表現になっていないかを確認する必要があります。

Q2. X・Instagram・YouTubeのどれから着手すべきですか?

まずは、対象顧客と発信目的に合うSNSを1つ選び、継続できる運用体制を整えることが大切です。

短文で情報発信や相談導線を設けるならX、図解や短い動画でサービスの特徴を伝えるならInstagram、仕組みや利用時の注意点を詳しく解説するならYouTubeが候補になります。

ただし、SNSごとの特徴だけで決めるのではなく、Webサイトや問い合わせフォームなどの受け皿も含めて、顧客が「認知する・理解する・問い合わせる」までの導線を設計しましょう。

ファクタリング事業者のSNS運用支援はファイマケへ

ファクタリングの取引実態や契約条件を十分に確認せず投稿内容を作成すると、サービス条件と異なる表現や、法令上の確認が必要な表現が公開されるリスクがあります。ファクタリングは取引の実態や契約条件の確認が重要な領域だからこそ、金融実務を理解したうえで発信内容を設計することが大切です。

株式会社ファイマケは、金融業界に特化したSNS運用支援会社です。金融コンテンツ制作実績は累計1万件以上にのぼり、銀行・信用金庫・証券・FP・保険会社・保険代理店などの支援に携わってきました。代表の苛原寛は、FP1級資格を保有し、東京海上日動火災保険で3年間の法人営業を経験しています。

事業性ファクタリングと給与ファクタリングの違いを踏まえた発信テーマの整理、投稿内容の確認、SNSからWebサイト・問い合わせにつなげる導線設計、社内確認フローの整理など、まずはお気軽にご相談ください!

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著者情報

苛原 寛のアバター 苛原 寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。
制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。
著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

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