証券会社のオウンドメディア戦略|事例4選と金商法対応・AIO対策を徹底解説!

証券会社でオウンドメディアの立ち上げを任されたものの、「何から手をつければいいのか分からない」「企画をコンプライアンス部門に持っていくと、金融商品取引法の話で止まってしまう」「他社がどんな運用をしているのか、参考になる事例が見当たらない」といった悩みを抱える広報・マーケティング担当者は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、金融業界に特化したSNS・コンテンツマーケティング支援を行う筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、証券会社のオウンドメディア事例4選と、金融商品取引法・日本証券業協会の指針・E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)・AIO(生成AI検索最適化)対応までを解説します。

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この記事はこんな人におすすめ

・証券会社でオウンドメディアの立ち上げ・運用を任されたが、何から着手すべきか分からない方
・他の証券会社のオウンドメディア事例を知り、自社の設計に活かしたい方
・金融商品取引法や日本証券業協会のガイドラインを踏まえたコンテンツ設計の勘所を知りたい方
・SEOだけでなく、生成AI検索(AIO)にも対応したオウンドメディア戦略を検討している方

この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

目次

なぜ今、証券会社にオウンドメディアが必要なのか

広告費高騰と新NISA後の口座開設競争

2024年の新NISA制度開始以降、大手ネット証券各社はテレビCM・デジタル広告への投資を大幅に強化しており、証券業界全体で広告出稿量・広告宣伝費が増加する傾向にあります。新規顧客の獲得を広告費だけに頼り続けるモデルは、体力のある大手ネット証券にとっても負担が増しつつあり、中堅・対面証券会社にとってはなおさら厳しい構造になりつつあると考えられます。

このような環境のなかで、広告に依存しない中長期の顧客接点として、オウンドメディアへの関心が高まっている印象があります。

オウンドメディアが持つ中長期的な価値

広告は出稿を止めると比較的短期間で効果が薄れていく傾向がありますが、オウンドメディアの記事はSEO評価が蓄積される限り、検索エンジン経由での流入を生み続けます。加えて、生成AI検索(ChatGPT・Gemini・Copilot等)からの引用対象にもなり得るため、「広告費をかけ続けなければ接点を維持できない」という構造から脱却できる可能性があると考えられます。

実際、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」は2017年7月の開設以降、記事とYouTubeコンテンツの蓄積を重ね、2020年12月時点の月間PV数は前年から倍増する形で2,100万を突破しました。広告のように出稿を止めれば効果が下がっていくのではなく、公開済みのコンテンツ自体が資産として積み上がり、時間の経過とともに流入を伸ばし続けた例だといえます。

ファイマケ代表 苛原寛

広告費が上昇を続けるなか、「今月の広告予算をどう使うか」だけでなく「3年後も広告費に依存しない集客チャネルをどう持つか」という視点でオウンドメディアを位置づける証券会社が増えている印象です。オウンドメディアは即効性のある施策ではありませんが、積み上げた記事資産は広告を止めても消えません。この「消えない資産」という性質が、証券会社の中長期マーケティングにおいて重みを増していると感じています。

生成AI検索(AIO)時代の情報収集シフト

近年はChatGPT・Gemini・Copilotなどの生成AI経由で情報収集を行うユーザーが増えており、証券会社に関する情報についても、検索エンジンの検索結果だけでなく、生成AIの回答内で引用されるかどうかが重要になりつつあります。生成AIによる回答の引用元は、ツールや質問内容によって傾向が異なりますが、公式サイトが引用の大部分を占めるという調査結果もあり、企業が自ら運営する一次情報源(オウンドメディア)が引用元として一定の重みを持つことがうかがえます。

自社ドメイン上に専門性の高いコンテンツを持たない証券会社は、この生成AI検索の流れのなかで、情報源として選ばれる機会そのものを失いかねません。

証券会社のオウンドメディアが向き合うべき規制とE-E-A-T

証券会社のオウンドメディアは、一般企業のオウンドメディアとは異なる規制の枠組みの中で設計する必要があります。「金商法さえ守っていれば大丈夫」という理解では、運用を進めていく中で差し戻しが頻発する可能性があります。

金融商品取引法(金商法)第37条・第38条とオウンドメディアの関係

金商法第37条は、金融商品取引業者等が「広告等」を行う場合、金融庁への登録番号・手数料・リスクに関する事項など、政令で定める事項の表示を義務付けています。オウンドメディアの記事が「広告等」に該当するかどうかは、内容が特定の金融商品の購入を促す性質を持つかどうかで判断される傾向があると考えられます。

第38条第1号は「断定的判断の提供」を禁止しており、証券会社のコラム・マーケット解説記事で最も頻出する論点の一つです。たとえば「この銘柄は来月確実に値上がりします」「今のうちに投資を始めれば必ず増えます」といった表現は、断定的判断の提供として法令上禁止されるNG例にあたります。

推奨される表現は「過去10年間のデータでは〜という傾向が見られています」「市場参加者の間では〜と考えられています」のように、事実の提示と柔らかい語尾を組み合わせる形です。使用する表現は、コンプライアンス部門との事前チェック体制を整えておくことが望ましいです。

日本証券業協会「広告等に関する指針」

日本証券業協会は、証券会社(金融商品取引業者)が加入する自主規制団体で、金商法などの法令を実務でどう守るべきかを、より具体的なルールに落とし込んで示す役割を担っています。その一つが「広告等に関する指針」で、金商法第37条が求める表示義務や禁止事項を、実際の広告・コンテンツ制作の現場でどう解釈すべきかを示した実務基準です。

たとえば、オウンドメディアのコラムで「今週の株式市場の振り返り」のような市況コメントを書くこと自体は、情報提供として問題になりにくいと考えられます。一方で、その相場見通しをきっかけに「今すぐ買うべきだ」と読み手に取引を促すような書き方になっていないかは、あらためてチェックが必要です。この「顧客に将来の取引を促す内容になっていないか」という判断軸は、法令で表示義務が課される広告物だけでなく、オウンドメディアのコラムにも同様に適用され得ると考えるのが安全です。

証券コンテンツに求められるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)

E-E-A-Tとは、Googleが検索結果の品質を評価する際に用いる考え方で、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったものです。「この記事を書いた人・組織は、本当にこのテーマについて語る資格があるか」をGoogleが判断する基準だと考えると分かりやすいでしょう。

なかでも金融・資産運用に関するコンテンツは、Googleの検索品質評価ガイドライン上「YMYL(Your Money or Your Life)」領域に分類されています。これは、読者の資産や生活に直接影響を与えうるテーマ(お金・健康・法律など)を指す分類で、誤った情報が読者に与える被害が大きいことから、他のジャンルよりも厳しい基準でE-E-A-Tが評価される傾向があります。

証券会社のオウンドメディアがE-E-A-Tを高めるためには、記事の執筆者・監修者について、氏名・保有資格(FP・証券アナリスト等)・経歴を明示することが基本になります。加えて、自社でしか持ち得ない一次データ(自社調査・顧客の問い合わせ傾向等)に基づく記事を作ることも、「この情報は他では読めない」という専門性の証明になり、他社が模倣しにくい差別化につながる傾向があると考えられます。

ファイマケ代表 苛原寛

YMYL領域のコンテンツでE-E-A-Tを高めるために効果的だと感じているのは、実際の問い合わせデータに基づくFAQです。汎用的な「よくある質問」ではなく、「実際に顧客から多く寄せられる質問トップ10」を執筆の起点にすることで、他社が書けない専門性のある記事になりやすい印象があります。個人情報のマスキング処理を徹底したうえで、この設計に切り替えるだけでもコンテンツの説得力は変わってくると考えています。

証券会社のオウンドメディア活用事例4選

ここでは、証券会社のオウンドメディア活用事例を4つ紹介します。

事例①楽天証券「トウシル」

楽天証券は2017年7月、投資情報メディア「トウシル」を開設しました。「お金と投資をもっと身近に」というコンセプトのもと記事を展開しています。

トウシル編集チームによる解説記事だけでなく、アナリストやストラテジストの解説記事・インタビュー記事などを組み合わせている点が特徴です。著者ごとに記事を検索することも可能であり、誰が書いたかを読者が確認できる状態にしていることは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の信頼性の証としても有効です。

また、トウシルは記事コンテンツだけでなく、公式YouTubeチャンネルや公式Xも運用しており、テキスト・動画・SNSを組み合わせたマルチチャネル展開をしている点も特徴です。

事例②マネックス証券「マネクリ」

マネックス証券は2018年10月から投資情報メディア「マネクリ」を運営しています。「マネー情報のクリップ」が名称の由来で、アナリストレポート・市況概況に加え、資産形成・年金・家計・相続まで幅広いテーマを扱っており、投資初心者から専門的な情報を求める層まで、幅広い読者をターゲットにしている点が特徴です。

例えば、「初心者」カテゴリでは、「ゼロから学ぶお金と投資」として「ポイ活から始める、初めての投資」「【投資未経験者・入門者向け】はじめての投資・口座種類はどう選べばいい?」といった投資未経験者でもなじみやすいテーマを扱う一方、「マーケット」カテゴリでは市況分析など専門性の高い内容も発信しており、読者の習熟度に応じた記事設計になっていると考えられます。

<「初心者」カテゴリ>

<「マーケット」カテゴリ>

事例③:野村證券「NOMURA ウェルスタイル」

野村證券は2017年5月、1980年代生まれのビジネスパーソンを主なターゲットとした金融リテラシー向上のためのウェブマガジン「EL BORDE(エル・ボルデ)」を公開しました。同社のプレスリリースによれば、編集部はターゲットと同世代(1980年代生まれ)の野村證券社員のみで構成されており、当事者としてのリアルな声をコンテンツやサイトデザインに反映させている点が特徴でした。

同メディアは2024年に「NOMURA ウェルスタイル」へと名称を変更しました。2017年の開設から現在まで9年以上にわたり、「NOMURA ウェルスタイル」への名称変更というブランドの節目を経ても運用が途切れずに続いている点は、単発の施策ではなく継続的に投資すべき資産としてオウンドメディアが社内に定着していることの表れだと考えられます。

ファイマケ代表 苛原寛

野村證券が長期運用を継続できている本質は、ターゲット世代を明確に絞り込んだ点にあると考えています。「全年代に届けよう」とすると、コンテンツのトーンが定まらず更新も止まりやすくなる傾向があります。証券会社のオウンドメディアは、まず1つの世代・1つのペルソナに向けて設計し、軌道に乗ってから対象を広げる順序のほうが、続けやすさの面で有利に働くと考えます。

事例④:松井証券「マネーサテライト」

松井証券は投資情報メディア「マネーサテライト」を運用しています。コラムに加えて、「資産運用!学べるラブリー」「予約の取れない株相談所」といった動画番組シリーズも配信している点が特徴です。

日本株・米国株・投資信託・FX・NISAなど幅広いカテゴリを、記事と動画を掛け合わせた形で発信しており、トップ画面内の「カテゴリ」から読者の興味のあるコンテンツに遷移できるような構成となっています。

2024年・2025年と複数回にわたりサイトのリニューアルを重ね、スマートフォンでの視聴のしやすさやショート動画対応など、利便性の改善を継続的に行っています。同社のプレスリリースによれば、NISA制度改定や株価上昇を背景に投資への関心が高まるなか、マネーサテライトの月間平均再生数はサービス開始の2021年から2倍以上に増加しているとされています。

既存の複数コンテンツ資産を再編し、動画とテキストを掛け合わせながら継続的にリニューアルを重ねることで、限られたリソースでもコンテンツの価値を高め続けている事例といえます。

加えて、動画コンテンツの一部は「会員限定動画」として提供されており、視聴には無料の口座開設が必要な設計になっています。誰でも見られる一般公開コンテンツで関心を引きつけたうえで、「ここでしか見られない情報」を無料会員限定コンテンツとして提示することで、コンテンツ閲覧という行動を口座開設という具体的な成果に直接結びつけている点が特徴です。

ファイマケ代表 苛原寛

4事例に共通しているのは、「証券会社の商品を売り込む」のではなく「読者の生活・関心に寄り添うテーマから入る」設計だと感じています。読者が構えずに読める入口を作ることが、結果的に証券口座という商品への信頼構築につながっていく傾向があると考えられます。

成功しているオウンドメディアと伸び悩むオウンドメディアの違い

成功しているオウンドメディアと伸び悩むオウンドメディアには、それぞれ共通した傾向が見られます。

成功しているオウンドメディアに共通する3つの特徴

第一に、社内の専門人材を編集体制に組み込み、一次情報・専門性を担保している点です。楽天証券「トウシル」は楽天証券経済研究所という社内の専門家チームが解説記事を担い、野村證券「NOMURA ウェルスタイル」はターゲットと同世代の社員のみで編集部を構成しています。いずれも外部ライターだけに頼らず、社内の専門性・当事者性をコンテンツに反映させている点が共通しています。

第二に、実績数値を継続的に公開し、社内の投資判断材料として使える状態にしている点です。トウシルの月間PV数・YouTubeチャンネル登録者数、松井証券「マネーサテライト」の月間平均再生数の伸びのように、定量的な実績を対外的に発信し続けているメディアは、稟議や予算継続の裏付けとしても機能しやすいと考えられます。

第三に、更新頻度を自社の体力に合わせて明文化し、無理なく継続している点です。更新頻度を「月何本」という形で明文化し、担当者の負荷や外部パートナーとの契約条件とセットで設計しておくことが、更新停止を防ぐ土台になっていると考えられます。

担当者依存の運用体制が招く更新停止

担当者一人の熱意に依存した運用は、異動や繁忙期に更新が止まりやすくなる傾向があります。外部パートナーや複数ライターとの役割分担がないまま特定の担当者に運用が集中していると、その担当者が異動・離脱した時点で更新が止まりやすくなります。

コンプライアンス型合意の欠如が招く更新の停滞

コンプライアンス部門との型合意がないまま個別記事ごとに都度審査を行っていると、断定的判断の提供(金商法第38条第1号)に抵触しないかを毎回ゼロから確認する必要が生じ、更新頻度がSEO・AIO評価に必要な水準まで上がりにくくなる可能性があります。証券会社特有のこの審査負荷は、他業態のオウンドメディアと比べても更新停滞の主要因になりやすいと考えられます。

ファイマケ代表 苛原寛

証券会社のオウンドメディアでつまずく最大の原因は、「始めること」よりも「続けること」にあると感じています。担当者の異動、コンプライアンス審査の重さ、外部ライターとの契約更新。これらを最初の設計段階で織り込んでおけるかどうかが、1年後にメディアが動いているかどうかの分かれ目になる印象があります。

証券会社がオウンドメディアを立ち上げる5ステップ

Step1:目的とKPIの一次設計

オウンドメディアの目的を「認知拡大」「資料請求・口座開設への接続」「既存顧客のロイヤルティ向上」のどこに置くかを最初に決めます。目的が曖昧なまま走り出すと、記事のテーマ選定も評価指標も定まりにくくなる傾向があります。

Step2:コンプライアンス部門との型合意

投稿テーマ別の表現可否マトリクスを事前に作成し、コンプライアンス部門と合意します。断定表現を避けた言い回しのテンプレートを型として先に確立しておくことで、個別記事の審査時間を短縮できる可能性があると考えられます。

Step3:ライター・監修体制の設計

複数の外部ライター・監修者を起用する場合は、役割をあらかじめ「ライフスタイル型」(読者の生活・関心に寄り添う切り口で書く)、「トレンド型」(NISA制度改定や相場動向など時事性の高いテーマを機動的に書く)、「有資格者による分析型」(FPや証券アナリスト等の有資格者が専門的な分析・解説を担う)のように切り分けておくことが、限られた記事本数で独自性を確保する実務的な設計パターンといえます。

また、インフルエンサーの氏名を広告・メールマガジンで二次利用する場合には追加費用が発生する点、短期トライアル契約では条件交渉が不利になるケースもある点も、契約段階で押さえておく必要があると考えられます。

Step4:SEO設計

証券会社が狙うキーワードは、「NISA 始め方」のような教育系キーワードと、「〇〇証券 手数料」のような比較・検討系キーワードとで、求められる内容もコンプライアンス上の注意点も異なります。

まずは「情報提供」として書きやすい教育系キーワードから着手し、記事の型と審査の実績が積み上がってから比較・検討系キーワードに広げる順序のほうが、審査負荷を抑えながら記事数を積み上げやすい傾向があります。内部リンクは、教育系記事から口座開設ページへ直接誘導するのではなく、関連する教育系記事同士をまず回遊させたうえで比較・検討系記事に接続する設計にすると、読者の検討段階に合った自然な導線になりやすいです。

また、FAQセクションをGoogleの検索結果に質問と回答の形でリッチに表示させるための「FAQPage構造化データ」(ページ内容がFAQ形式であることを検索エンジンに伝えるタグ)を実装する際は、そこに載せるQ&Aの回答文が断定的判断の提供(金商法第38条第1号)に抵触しないよう、通常の記事本文と同じ審査フローを通すことが欠かせません。

Step5:運用・改善サイクル

月次では、PV・検索順位に加えて、資料請求・口座開設ページへの遷移数など問い合わせ経路への貢献度を必ずセットで確認します。単月の数値だけで判断せず3か月単位の移動平均で見ることで、決算発表期やNISA制度改定時期といった季節要因による一時的な変動と、構造的な伸び悩みを区別しやすくなります。

テーマ別のPVが伸びない状態が3か月以上続く場合は、キーワード選定自体に課題があるのか、コンプライアンス上の制約で書ける内容が薄まっているのかを切り分け、必要に応じてライター体制やコンテンツ類型を入れ替える判断を行います。あわせて、四半期に一度はStep2で合意した表現可否マトリクスも、規制改正や新商品の登場に合わせて更新しておくことが望ましいと考えられます。

ファイマケ代表 苛原寛

5つのステップの中で、最も軽視されがちなのがStep2「コンプライアンス部門との型合意」だと感じています。型を後回しにして記事を書き始めると、公開直前の審査で差し戻され、結局スケジュールが遅延する事例が見受けられます。最初の1〜2ヶ月を型合意に使うことが、結果的に1年間の運用をスムーズにする投資になると考えています。

SEOだけでなくAIO(生成AI検索対策)まで見据えた設計

AIOとは、AI Optimization(AI最適化)の略で、ChatGPT・Gemini・Copilotなどの生成AIが検索・質問への回答を生成する際に、自社の情報が引用されやすくなるようコンテンツを設計する取り組みを指します。SEO(検索エンジン最適化)が「Googleなどの検索結果で上位表示される」ことを目指すのに対し、AIOは「生成AIの回答のなかで、自社の情報が根拠として引用・言及される」ことを目指す点が異なります。

近年、ChatGPT・Gemini・Copilotなどの生成AIを経由した情報収集が増えており、証券会社のオウンドメディアもSEOに加えてAIOへの対応が求められる局面に入ってきていると考えられます。

AIOはSEOの延長線上にある

AIOは従来のSEO対策と別物ではなく、その延長線上にあると捉えるのが現実的です。差分として重要なのは「外部ドメインの攻略」です。比較記事サイトでの言及率、YouTubeでの動画コンテンツ、SNSでのブランド言及数など、自社ドメインの外側での露出も含めて設計する必要があると考えられます。

情報発信媒体の優先順位づけ

情報発信媒体は、コントロール可能性とAIに参照されやすさの両面から、①公式オウンドメディア、②第三者メディア、③公式SNS、④UGC(ユーザー生成コンテンツ)の順で優先順位づけするのが実務的な整理といえます。オウンドメディアはこの中で最もコントロールしやすい起点であり、AIOの土台になる傾向があります。

AIOの効果測定に使う3つの指標

AIOの効果測定には、検索ボリューム・引用シェア(AIの回答内で自社情報が引用される頻度)・メンション数の3指標をひとつの基準として捉える設計が実務上有効だと考えられます。ターゲットが検索・質問するであろうプロンプトを事前に洗い出し、「勝てる領域」を優先してモニタリングする設計にすると、フォロワー数だけでは見えない経営的な価値を可視化しやすくなる印象があります。

ファイマケ代表 苛原寛

証券会社からオウンドメディアのAIO対応についてご相談をいただく機会が増えていますが、「SEOと何が違うのですか」という質問を最初によくいただきます。答えは「基本的には同じで、外部ドメインの攻略という課題が追加される」ということです。自社サイトのE-E-A-Tを高めるSEO対策は、そのままAIO対応の土台にもなると考えています。

証券会社のオウンドメディア運用代行はファイマケへ

新NISA以降の口座開設競争が激しさを増すなか、証券会社にとってオウンドメディアは、広告費に依存しない中長期の顧客接点として重要性を増していると考えられます。

しかし、金商法・日本証券業協会の指針・E-E-A-T・AIOと、複数の専門領域を横断する設計が必要なため、金融業界の実務を理解していない制作会社に発注すると、コンプライアンス部門から差し戻しが繰り返され、オウンドメディアの運用が半年ほどで停滞してしまうリスクもあります。

株式会社ファイマケは、金融業界に特化したSNS・コンテンツマーケティング支援会社です。代表の苛原寛はFP1級資格保有・東京海上日動火災保険での法人営業3年・Xフォロワー約8,000人のバックグラウンドを持ち、金融コンテンツ制作実績は累計1万件以上にのぼります。銀行・信用金庫・証券・FP・保険会社・保険代理店の各カテゴリにわたる支援実績があり、「金融のことをわかっていない代行会社に頼んで規制対応でつまずいた」というリスクなく、オウンドメディアの企画設計からコンプライアンス伴走までご相談いただける体制を整えています。

社内にオウンドメディア運用のノウハウがない、コンプライアンス対応に不安がある、外部ライター体制の設計に悩んでいるなど、どのような段階でもお気軽にご相談ください!

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著者情報

苛原 寛のアバター 苛原 寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。
制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。
著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

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