クレジットカードのX運用事例4選|キャンペーンから有事対応までプロが解説!

「Xがポイント告知botになっている気がする」「引用ポストで批判が拡散するたびに、自分の投稿が火種になったのではと胃が痛くなる」「カード紛失・不正利用の一報がDMに殺到したとき、コールセンター誘導だけで本当にいいのか」といった声を、クレジットカード会社のX運用担当者から耳にすることがあります。

キャンペーンのノウハウは社内である程度蓄積できても、障害告知・不正利用注意喚起・引用ポスト炎上・なりすまし対策という「有事対応の型」まで整備できている体制は、実はまだ多くありません。本記事では、筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、実在するクレジットカード会社のX運用事例4選に加え、キャンペーンから有事対応の設計法までを解説します。

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この記事はこんな人におすすめ

・カード会社のX公式アカウントが「ポイント告知中心」になっていることに課題を感じている方
・障害・不正利用・炎上が起きた際のX初動対応が整備されておらず、都度その場の判断になっている方
・X運用をブランディングだけでなく、有事対応まで含めて設計したい方
・金融業界特有の規制や社内承認フローを踏まえたSNS運用代行会社を探している方

この記事を書いた人
苛原寛のアバター 苛原寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

目次

クレジットカード会社のX運用で押さえておきたい3つの特徴

クレジットカード会社のX運用では、キャンペーンや日常的な情報発信に加え、問い合わせ対応や有事の情報発信まで想定した運用設計が求められます。ここでは、クレジットカード会社がXを運用するうえで押さえておきたい3つの特徴を整理します。

特徴1:280文字とリアルタイム性を軸にしたテキストメディアである

Xは280文字までのテキストを中心に、リアルタイムに情報が拡散される媒体です。短い文章で情報を伝えやすく、ユーザーからの反応も確認しやすいため、キャンペーンやポイントに関する情報だけでなく、日常的なサービス案内にも活用できます。

特にクレジットカード会社では、障害発生時の状況説明や復旧状況、不正利用への注意喚起など、時間を置かずに利用者へ伝える必要がある情報との相性があります。Webサイトに情報を掲載するだけでなく、Xでも概要や対応状況を発信することで、利用者に情報を届ける接点を増やせます。

一方で、リアルタイム性が高いからこそ、投稿内容の確認や承認に時間がかかると、情報発信のタイミングを逃す可能性があります。そのため、平時の投稿だけでなく、障害や不正利用などが発生した際に、誰が情報を確認し、誰の承認で投稿し、問い合わせをどこへ案内するのかまであらかじめ決めておくことが重要です。

特徴2:フォロー&リポスト型キャンペーンとの相性がよい

クレジットカード会社のXでは、フォロー&リポスト型を中心としたキャンペーンが活用されています。X上でアカウントのフォローや投稿のリポストを応募条件に設定できるため、キャンペーン情報を既存フォロワーだけでなく、その周囲のユーザーにも広げやすい点が特徴です。

クレジットカード会社では、ポイントプレゼントやギフトカードなどを景品としたキャンペーンを実施し、アカウントの認知拡大やフォロワーとの接点づくり、キャンペーンへの参加促進などにつなげることができます。また、キャンペーンをきっかけにアカウントをフォローしてもらい、その後も商品・サービスの情報やお役立ち情報を届けることで、継続的な接点をつくることも可能です。

一方で、クレジットカード会社のキャンペーンでは、応募条件や景品の内容によって景品表示法上の規制が関係する場合があります。特に「新規入会」や「カード利用」などの取引を応募条件に含める場合は、景品類の上限額などを確認したうえで企画する必要があります。そのため、単に「拡散されやすいキャンペーン」を企画するのではなく、目的・応募条件・景品・応募規約・当選者への連絡方法まで含めて設計することが重要です。

特徴3:問い合わせや有事対応の接点にもなる

Xは情報発信だけでなく、カード利用者からの問い合わせや、障害・不正利用などに関する情報が集まる接点にもなります。そのため、投稿内容だけでなく、問い合わせへの対応方針や社内へのエスカレーションルールまで事前に整理しておくことが重要です。

ファイマケ代表 苛原寛

クレジットカード会社のX運用では、キャンペーンやポイント情報などの告知に偏りすぎず、アカウントの役割や投稿方針をあらかじめ整理しておくことが重要です。特に、誰に何を届けるアカウントなのか、どのようなトーンで発信するのか、キャンペーンと通常投稿をどう組み合わせるのかを社内で共有しておくことで、継続的な運用につなげやすくなります。

クレジットカード会社のXキャンペーン設計と景品表示法の注意点

クレジットカード会社のX運用では、フォロー&リポスト型キャンペーンが代表的な施策の一つです。一方で、応募条件に「入会」「カード利用」などを設定すると、景品表示法上の規制が関係する場合があります。本章では、フォロー&リポスト型キャンペーンの基本設計と、景品表示法・ステマ規制上の注意点を整理します。

フォロー&リポスト型キャンペーンの基本設計

フォロー&リポスト型キャンペーンを実施する際は、応募条件や応募期間、当選者への連絡方法、景品の内容などをあらかじめ明確にしておくことが重要です。

また、商品・サービスの購入や利用を条件とするかどうかによって、景品表示法上の扱いが変わる場合があります。企画段階から応募条件と景品の提供方法を整理し、必要に応じて法務・コンプライアンス部門に確認しておきましょう。

「オープン懸賞」と「一般懸賞・総付景品」を分ける境界線

景品表示法上の扱いを考えるうえで重要なのが、キャンペーンへの参加に商品・サービスの取引が条件として付いているかどうかです。

商品・サービスの購入や利用などを条件とせず、フォロー・リポストなどによって応募できる企画は、一般にオープン懸賞として景品規制の対象外となる場合があります。ただし、キャンペーンの条件や景品の提供方法によって扱いが変わるため、個別の確認が必要です。

一方、「新規入会」や「カード利用」など、商品・サービスの取引を条件とするキャンペーンでは、景品表示法上の景品規制が適用される可能性があります。

消費者庁の整理では、一般懸賞の場合、取引価額が5,000円未満の場合は景品類の最高額が取引価額の20倍、5,000円以上の場合は10万円とされ、景品類の総額についても売上予定総額の2%以内という制限があります。総付景品には、これとは別の上限が設けられています。

クレジットカード会社では、新規入会やカード利用とキャンペーンを組み合わせるケースもあるため、応募条件と景品の内容をセットで確認することが重要です。

インフルエンサー起用時に関わる景品表示法のステマ規制

インフルエンサーを起用してキャンペーンや商品・サービスを紹介する場合は、2023年10月に施行された景品表示法のステマ規制にも注意が必要です。

規制の対象となるのは、広告であることを明瞭にせず表示を行った事業者側です。インフルエンサーに投稿を依頼する場合は、「#PR」などの表示を付けるだけでなく、一般消費者から見て広告であることが明瞭に分かる表示になっているかを確認しましょう。

では実際に、キャンペーン以外の目的も含めてXを活用しているクレジットカード会社には、どのような運用があるのでしょうか。

クレジットカード会社のX活用事例4選

キャンペーンだけでなく、情報発信やユーザーとの接点づくり、問い合わせ対応など、運用の特徴が異なる4つのアカウントを見ていきましょう。

①クレディセゾン|キャンペーン効果を送客・CV数値で可視化

2010年9月の開設から15年以上にわたり運用を続けるクレディセゾンの公式アカウントは、執筆時点で約41.6万人のフォロワーを抱えています。CM連動のフォロー&リポストキャンペーンでは、ブランドサイトへの送客14万件・カード申込CVの発生につなげたほか、SAISON GOLD Premium一周年施策では、ブランドサイト表示回数の79%がXキャンペーン経由という結果を公表しています。(出典:カード申込も発生!クレディセゾンに学ぶ、獲得にもつながる認知施策とは?無形商材のSNS活用を紐解く)

フォロワー数の多さだけでなく、キャンペーン経由の送客やCVまで数値で把握している点が特徴です。自社でXを運用する際も、フォロワー数だけをKPIにするのではなく、キャンペーンからWebサイトへの流入や申込など、事業上の成果まで追える設計にすることで、SNS施策の効果を社内で説明しやすくなります。

ファイマケ代表 苛原寛

クレディセゾンの事例で参考にしたいのは、フォロワー数だけでなく、キャンペーン経由の送客・CVまで具体的な数値で示している点です。SNSの評価を「フォロワーが何人増えたか」だけで終わらせず、自社の目的に合わせて次のアクションまでKPIを設計することが重要だと考えています。

②楽天カード|平時の発信と注意喚起を同じ窓口で両立

楽天カードの公式アカウントでは、ポイ活・お得情報の発信と並行して、3Dセキュアの解説や詐欺メールへの警告など、不正利用・フィッシング詐欺への注意喚起投稿も発信しています。告知だけでなく、利用者に注意を促す情報も継続的に発信しており、平時の情報発信とセキュリティ関連の注意喚起を同じアカウントで担う運用として参考になります。

自社で運用する場合も、キャンペーンやポイント情報だけでなく、不正利用やフィッシング詐欺など、カード利用者にとって重要な情報を平時から発信することで、Xを継続的な情報提供の接点として活用できます。

ファイマケ代表 苛原寛

楽天カードの事例では、キャンペーンやお得情報だけでなく、不正利用やフィッシング詐欺への注意喚起もXで発信している点に注目したいところです。平時から発信する情報の範囲を整理しておくことで、有事に限らず、Xを利用者への情報提供チャネルとして活用できます。

③三井住友カード|参加型企画によるユーザー接点づくり

三井住友カードの公式アカウントでは、指定ハッシュタグを付けた投稿への参加を条件にしたキャンペーンや、フォロワーへの直接的なヒアリング投稿など、ユーザーとの接点をつくる発信が見られます。例えば、アカウントのフォローと指定ハッシュタグ付き投稿を条件に、抽選でギフトが当たる企画では、当選結果をリプライやDMで案内する設計になっており、一方的な告知だけで終わらせない工夫がうかがえます。

また、キャンペーンの概要は画像とともに簡潔に伝え、詳細は応募規約やランディングページへの導線でカバーする構成になっており、投稿自体を長文にしすぎない設計も特徴です。

ファイマケ代表 苛原寛

自社で運用する場合も、キャンペーンだけでなく、ハッシュタグ参加や質問への回答といった気軽に参加できる企画を組み込むことで、一方通行になりがちな発信に接点を加えることができます。

④エポスカード|キャラクター名義の運用による親しみやすさ

エポスカードの公式アカウントは、キャラクター「えぽっけ」名義で運用されています。アプリ機能の解説やタッチ決済キャンペーンの告知などを中心に発信しており、「えぽっけ」からの呼びかけ形式による親しみやすさ特徴的です。

また、リプライには対応せず、情報発信を目的としたアカウントであることを明確にしている点も参考になります。すべてのカード会社がX上で問い合わせ対応まで担う必要があるわけではなく、発信専用のアカウントとして運用する方法もあります。自社でXを運用する際も、「Xで何を対応するのか」「問い合わせはどこへ案内するのか」をあらかじめ決めたうえで、アカウントの役割を明確にすることが重要です。

ファイマケ代表 苛原寛

エポスカードの事例で参考にしたいのは、Xを何でも対応する窓口にするのではなく、発信に役割を絞っている点です。カスタマーサポートまでX上で対応するのか、問い合わせはWebサイトやコールセンターへ誘導するのか、自社の体制に合わせて対応範囲を明確にすることが、継続的な運用につながります。

クレジットカードの障害告知の初動設計

クレジットカード会社のX運用では、システム障害などの有事に、「正確な情報を確認してから発信したい」という社内判断と、「利用者へすぐに情報を届けたい」というXの特性をどう両立するかが課題になります。本章では、障害発生時に起こり得る情報発信の遅れと、その際に備えて平時から整えておきたい初動対応について解説します。

障害情報は「公式より先に第三者が発信してしまう」構造的な課題

システム障害が発生した際、公式Xアカウントからの発信より先に、利用者の投稿やまとめアカウントなどで状況が広がるケースがあります。実際2026年7月には、一部のクレジットカードで決済できない障害が全国的に発生し、X上では「カード払いできない」といった利用者の投稿が広がりました。一方、各社による状況説明や復旧発表のタイミングには差がありました。

これは特定の企業の対応を評価するものではなく、社内での情報確認・承認に時間がかかるほど、Xのリアルタイム性との間にギャップが生じやすいという、SNS運用上の課題として捉えることが重要です。

障害発生時は「告知の遅れ」も利用者の不安につながる

障害そのものに加えて、公式からの情報がない時間が長くなると、利用者が状況を把握できず、不安や疑問につながる可能性があります。原因が確定してから正確な情報を出そうとすると初動が遅れ、その間に利用者による投稿や引用ポストが広がることも考えられます。

そのため、原因や影響範囲がすべて判明していない段階でも、「現在確認中であること」「利用者に影響が出ていること」など、確定している情報をどこまで発信するかを平時から決めておくことが重要です。

二次炎上を防ぐ「4段階モデル」|発生確認から復旧完了報告まで

こうした状況に備え、クレジットカード会社のX運用では、次の4段階で初動対応を整理しておく方法があります。

  • 発生確認:障害の兆候を検知した時点で社内共有を開始する
  • 暫定告知:原因が未確定でも、「現在確認中」など確定している事実を公式Xで発信する
  • 復旧見込み更新:状況が変わるたびに、判明している情報を更新する
  • 復旧完了報告:復旧を確認したうえで、経緯やお詫びを発信する

特に「暫定告知」の文面や承認フローを、あらかじめコンプライアンス部門・法務と合意しておくことがポイントです。個別の投稿ごとに一から確認するのではなく、有事に使用できる定型文や承認ルールを平時から整備しておくことで、初動時の判断をスムーズにできます。

ファイマケ代表 苛原寛

障害告知では、原因が確定してから投稿しようとすると初動が遅れる可能性があります。クレジットカード会社のX運用では、発生確認→暫定告知→復旧見込み更新→復旧完了報告という4段階を、平時のうちにコンプライアンス部門と合意しておくことが重要です。特に「原因未確定でも、確認中であることを発信する」という対応をあらかじめ決めておけば、有事に個別判断を重ねる負担を減らせます。

不正利用・フィッシング詐欺の注意喚起投稿の型

クレジットカード会社のXでは、ポイントやキャンペーンの情報発信だけでなく、不正利用やフィッシング詐欺への注意喚起も重要な発信テーマです。こうした情報は、実際に被害が発生してから発信するのではなく、平時から利用者に注意点や正しい対処方法を伝えておくことが重要です。ここでは、注意喚起投稿の具体的な構成と、平時から整えておきたい運用体制を解説します。

平時から不正利用・フィッシングへの注意喚起を発信する

クレジットカード会社のXでは、ポイントやキャンペーン情報と並行して、不正利用やフィッシング詐欺への注意喚起を発信する運用も見られます。

事例で紹介した楽天カード公式アカウントのように、Xを商品・キャンペーンの告知だけに限定せず、利用者が安全にサービスを利用するための情報提供にも活用する方法が参考になります。

注意喚起投稿を構成する3要素

注意喚起投稿は、主に次の3要素で構成すると整理しやすくなります。

  1. 具体的な手口への言及
    偽サイトの特徴、不審なSMS・メールの文面例など、利用者が危険に気づくための情報を示す。
  2. 公式情報・正規の連絡方法を明示
    「弊社から暗証番号やワンタイムパスワードの入力をSNSやメールでお願いすることはありません」など、自社の正規の対応方針を明示する。
  3. 問い合わせ・確認先への誘導
    被害に遭った可能性がある場合に、公式サイトやコールセンターなど、正規の問い合わせ窓口へ案内する。

単に「フィッシング詐欺に注意してください」と呼びかけるだけでなく、「何に注意するのか」「正しい情報はどこで確認するのか」「被害が疑われる場合にどうすればよいのか」まで示すことがポイントです。

コンプライアンス承認フローを事前に固めておく

注意喚起では、実際のフィッシング手口や不正利用の状況に応じて、タイムリーな情報発信が必要になる場合があります。そのため、手口が変わるたびに個別投稿を一から確認するのではなく、注意喚起の基本的な文面や確認項目を平時から整理しておくことが重要です。

たとえば、法務・コンプライアンス部門とあらかじめ基本文面や承認ルールを確認しておき、個別の投稿では必要な情報を追加して公開できるようにしておく方法があります。障害告知と同様に、平時から一定の「型」を整えておくことで、有事の情報発信をスムーズに進めやすくなります。

ファイマケ代表 苛原寛

不正利用やフィッシング詐欺への注意喚起は、フォロワー数やインプレッションだけでは効果を測りにくい施策です。そのため、キャンペーンなどの集客施策とは分けて、利用者への情報提供やリスクへの備えという役割を明確にしたうえで、平時から継続できる運用体制を整えることが重要です。

カスタマーサポート窓口としてのX活用

クレジットカード会社のXでは、情報発信だけでなく、カード紛失や不正利用、システム障害などに関する問い合わせが寄せられることがあります。一方で、カード番号や暗証番号などの個人情報を含む相談をSNS上で扱うことにはリスクがあります。そこで重要になるのが、Xで対応する範囲と、コールセンターなど他の窓口へ誘導する範囲をあらかじめ決めておくことです。

個人情報を伴う相談はSNS上で完結させない

カード番号や暗証番号などの個人情報を含む相談は、SNS上で完結させず、コールセンターや公式サイトなどの正規窓口へ誘導する運用が基本となります。

また、事例で紹介したエポスカード公式アカウントのように、リプライには対応せず、情報発信を目的とするアカウントとして運用する方法もあります。すべてのカード会社がX上でカスタマーサポートまで担う必要はなく、自社の運用体制に合わせてXの役割を明確にすることが重要です。

対応範囲を事前に明文化する

X上でどこまで対応するのかを、平時から決めておくことも重要です。

例えば、一般的な質問はSNS運用チームが対応し、カード紛失・不正利用や個人情報を伴う相談はコールセンターへ誘導するなど、問い合わせ内容に応じた対応ルールを整理します。あわせて、炎上や重大なトラブルなど、SNS運用担当者だけでは判断できないケースのエスカレーション先も明確にしておきます。

こうしたルールを事前に共有しておくことで、担当者ごとの判断のばらつきを抑えやすくなります。

DM・リプライ対応と、なりすまし対策をセットで考える

公式アカウントがDMやリプライで利用者とやり取りする場合は、利用者が「公式アカウントからの連絡」と認識できる状態をつくることも重要です。

特に、カード会社を装った偽アカウントや不審なDMによるフィッシングを防ぐため、公式アカウントの情報や正規の問い合わせ窓口を明示し、「カード番号や暗証番号などの重要情報をSNSのDMで尋ねることはない」といったルールを利用者に周知する方法があります。

DM・リプライをどこまで利用するかを決める際は、カスタマーサポートの利便性だけでなく、なりすましやフィッシングへの対策も含めて検討することが大切です。

ファイマケ代表 苛原寛


Xをカスタマーサポートとしてどこまで活用するかは、カード会社によって考え方が異なります。重要なのは、X上ですべての問い合わせに対応しようとすることではなく、一般的な質問、個人情報を伴う相談、障害・不正利用などの有事で対応先を分け、平時から社内でルールを共有しておくことです。

引用ポストによる炎上となりすまし・公式アカウント対策

クレジットカード会社のXでは、自社アカウントへのリプライだけでなく、引用ポストや検索結果など、アカウント外での反応も確認する必要があります。また、公式アカウントを装ったなりすましや偽広告への対策も重要です。ここでは、平時から整えておきたい監視・対応・なりすまし対策について整理します。

引用ポストも含めて反応を確認する

X上で自社に関する反応を確認する際は、自社アカウント宛のリプライだけでなく、引用ポストやアカウント名・サービス名を含む投稿なども確認対象にすることが重要です。

引用ポストは、元の投稿にコメントを付けて別の投稿として発信できるため、自社アカウント宛のリプライだけを確認していると、関連する反応を把握できない場合があります。

そのため、エゴサーチやソーシャルリスニングを行う際は、「自社アカウントへのリプライ」だけを対象にするのではなく、企業名・ブランド名・サービス名など、複数のキーワードを設定して確認することがポイントです。

炎上時の対応方針を事前に決めておく

炎上や批判的な投稿が発生した場合に備え、削除・訂正・追加説明など、どのような対応を取るのかをあらかじめ整理しておきます。

例えば、事実と異なる情報が拡散している場合は追加説明を行う、誤った情報を含む自社投稿については訂正を検討するなど、状況に応じた対応方針を決めておきます。

重要なのは、「削除する・しない」を一律に決めることではなく、事実関係や影響範囲を確認したうえで、誰が判断するのかを明確にしておくことです。

なりすまし・偽広告への対策を整える

クレジットカード会社を装った偽アカウントや偽広告から、フィッシングサイトなどへ誘導される可能性もあります。そのため、平時からなりすましを発見した場合の対応手順を整理しておくことが重要です。

具体的には、①公式アカウントや公式サイトの一覧を明示する、②なりすましアカウントを発見した際の通報手順を整理する、③利用者に正規の問い合わせ先を周知する、といった対策が考えられます。

Xの認証制度を利用する場合は、制度や料金などが変更される可能性があるため、最新情報をX公式の案内で確認したうえで検討しましょう。

平時のうちに有事対応のルールを合意しておく

引用ポストへの対応やなりすまし対策など、有事に発生する判断をその場で一から決めると、対応が遅れる可能性があります。

そのため、平時のうちに、「何を監視するか」「どのケースを報告するか」「誰が判断するか」「どの窓口と連携するか」を整理しておくことが重要です。

障害告知や不正利用の注意喚起と同様に、X上で発生し得る事象ごとに対応フローを整理し、必要に応じて法務・コンプライアンス部門とも共有しておくと、有事の初動を進めやすくなります。

クレジットカードのX運用に関するよくある質問

Q1. システム障害の告知は、Xとメンテナンス情報ページのどちらを先に出すべきですか?

原因の確定を待ってから告知しようとすると、初動が遅れる可能性があります。「発生確認→暫定告知→復旧見込み更新→復旧完了報告」という4段階で対応を整理し、Xとメンテナンス情報ページでどの情報をいつ発信するかをあらかじめ決めておくことが重要です。原因が未確定の段階でも「現在確認中」など、確定している情報を発信するルールを整えておくことで、初動の遅れを抑えやすくなります。

Q2. X運用を外部に委託する場合、何を基準に選べばいいですか?

金融業界のSNS運用実績に加えて、景品表示法やステマ規制などの広告関連ルール、商標・なりすまし対策、社内の承認フローまで理解しているかを確認することが重要です。また、企画・投稿制作だけでなく、障害や不正利用などの有事対応まで含めて、どこまで支援できるのかも確認しておきましょう。初回の打ち合わせでは、金融業界での支援実績や対応範囲、社内確認・承認フローへの対応方法などを具体的に確認することをおすすめします。

Q3. クレジットカード会社のXは、フォロワー数が多いほど運用が成功しているといえますか?

フォロワー数だけでX運用の成果を判断することはできません。フォロワー数には、主に①アカウントの開設時期・運用期間、②投稿頻度や継続的な情報発信の有無、③ブランドやポイントサービスなど複数の公式アカウントへの機能分散といった要因も影響します。

そのため、フォロワー数だけを見るのではなく、開設時期・投稿頻度・アカウントの役割なども合わせて確認することが重要です。また、X運用の成果を測る際は、フォロワー数だけでなく、Webサイトへの流入や申込、キャンペーンへの参加など、自社の運用目的に合わせたKPIを設定しましょう。

クレジットカード会社のX運用代行はファイマケへ

クレジットカード会社のX運用では、キャンペーンや情報発信だけでなく、カスタマーサポートやなりすまし対策、障害・炎上などの有事対応まで含めた運用体制が求められます。

「キャンペーンの企画から先の設計ができていない」「問い合わせやトラブル時の対応範囲が決まっていない」「コンプライアンス確認に時間がかかる」といった課題を抱える企業も少なくありません。Xを継続的に活用するには、投稿内容だけでなく、誰が・何を・どこまで対応するのかを平時から整理しておくことが重要です。

株式会社ファイマケは、金融業界に特化したSNS運用支援会社です。代表の苛原寛はFP1級資格を保有し、東京海上日動火災保険での法人営業経験を持っています。また、金融コンテンツの制作実績は累計1万件以上、Xフォロワーは8,000人超です。

クレジットカード会社のX運用では、キャンペーンや日常的な情報発信だけでなく、なりすまし対策、カスタマーサポートとの役割分担、問い合わせへの対応方針、炎上・障害発生時のエスカレーションなど、平時から有事までを含めた運用設計を支援します。「Xで何を発信すればよいか分からない」「キャンペーン以外の運用方法を整理したい」「有事対応まで含めて運用体制を整えたい」といった段階からご相談いただけます。

クレジットカード会社のX運用でお悩みの方は、ぜひファイマケにご相談ください!

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著者情報

苛原 寛のアバター 苛原 寛 株式会社ファイマケ 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。東京海上日動火災保険で3年間法人営業を担当した後に起業。金融機関のSNS運用代行やWebコンテンツ制作・マーケティング支援を専門におこなう。
制作に携わった金融コンテンツは1万件以上。Xフォロワーは8,000人超。1級ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。
著書『選ばれる金融機関になるためのSNS戦略(金融財政事情研究会 出版)』

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