証券会社の広告戦略実践ガイド|事例4選と規制対応を徹底解説!

「テレビCMとデジタル広告、どちらが自社に適しているか分からない」「デジタル広告で口座開設数を増やしたいが、どの媒体を選べばいいのか分からない」「新NISAブームを活かした広告を打ちたいが、金融商品取引法(金商法)等の規制がある中でどのような内容を発信できるか分からない」等といった悩みを抱えている証券会社の宣伝・マーケティング担当者は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、金融業界に特化したマーケティング支援を行う筆者(ファイマケ代表・苛原寛)が、証券会社による広告事例4選、金商法・日本証券業協会(日証協)が定める「広告等に関する指針」・景品表示法(景表法)・ステマ規制への対応や広告運用を始めるまでのステップなどを解説します。
これから広告発信の検討を始める方も、すでに社内で話題に上がっている方も、ぜひ判断材料としてお役立てください。
・証券会社の広告を担当しているが、金商法や広告等に関する指針の具体的な規制内容が分からない方
・他の証券会社がどのような広告を展開しているか、具体的な事例を知りたい方
・社内のコンプライアンス部門に広告施策を説明する際の根拠資料・フレームワークを必要としている方
証券会社が広告発信に注力すべき理由
新NISAブームで投資初心者層が急増し、広告ターゲットが変わったから
2024年1月に始まった新NISA制度の本格稼働以降、各社の公表資料から証券口座の開設に関する問い合わせ・申し込みが増加している傾向が見て取れます。この新規口座開設者の多くが「投資経験ゼロ」「NISAという言葉を初めて聞いた」という層であることは、証券会社の広告ターゲットが大きく変わったことを意味しています。これまでの証券広告は「株式投資を始めたい人」に向けた顕在層向けが主流でしたが、新NISAを機に「将来に向けて何か備えを考え始めた」という潜在層へのアプローチが重要になってきています。
こうした潜在層の情報収集行動を見ると、Google検索だけでなくYouTubeやSNSを経由する比率が高まっている傾向があります。大手ネット証券各社がテレビCMにあわせてXキャンペーンやデジタル広告を組み合わせた多段階設計に移行しているのは、まさにこの潜在層への接点を複数持つことを意識した変化と言えます。
大手証券会社の広告投資激化に対応する必要性
2024年以降、大手ネット証券各社を中心にテレビCM・デジタル広告・SNS連動キャンペーンへの投資を加速させています。TVCM×SNS連動、Google P-MAX広告による複数媒体への自動最適配信、TikTok広告やInstagram広告での投資初心者向けの広告配信など、多層的な広告戦略が業界スタンダードになりつつあります。
こうした競争環境のなかで、広告への対応を後回しにすることはマーケティング戦略上の大きなリスクになります。新規顧客の多くがデジタルチャネルで情報を探すようになった以上、証券会社も複数の広告媒体に対応し、競合他社との差別化を図る必要があります。同時に、金商法・景表法に対応した広告表現が作れるスキルが、競争力の差を生む重要な要素になっています。
SNS型投資詐欺が増加する中、正規の広告発信が消費者を守るため
警察庁の統計では、2025年のSNS型投資詐欺の被害総額は1,288億円・認知件数は9,523件にのぼり、2024年(871億円・6,413件)から引き続き増加しています。接触手段は「バナー等広告」が最多で、バナー等広告からLINEの「投資グループ」に誘導される流れが約9割と公表されています。また、著名人の画像や動画を無断で使用したバナー等広告による被害の増加が顕著になっています。こうした偽広告が被害を広げやすい背景の一つとして、「本物の広告がどういうものか」を消費者が知らないことが挙げられます。
正規の証券会社が広告を通じて継続的に情報発信していれば、消費者は本物の表現・デザイン・トーンを自然と目にする機会が増えます。その結果、見慣れない広告や不審な投稿に気づきやすくなるという効果が期待できます。正規の広告発信は集客だけでなく、消費者が偽広告を見分けるための「比較材料」を社会に提供するという意味合いも持っています。
ファイマケ代表 苛原寛SNS型投資詐欺が被害を広げている背景には、消費者が「本物の証券会社の広告がどういう見た目・トーンなのか」を知らないことが大きいと感じています。証券会社が広告で継続的に情報発信すれば、消費者は正規広告と偽広告を見分けやすくなります。言い換えれば、広告を通じて「本物」の基準を社会に示すことが、詐欺防止にもつながるわけです。投資詐欺の撲滅は、証券会社が長期的な信頼を構築するために不可欠な課題であると考えます。
証券会社の広告活用事例4選
ここでは、証券会社の広告事例を4つ紹介します。
①大和コネクト証券|TikTokの「Smart+」活用で口座開設申込数1.9倍
大和コネクト証券は、TikTokで広告を出稿する金融機関がまだ少なかった2021年からTikTok広告の運用を開始ています。「投資は難しい」というイメージ払拭を重点に、若年層や投資初心者をターゲットにTikTok広告を活用しています。内容としては、「NISAが100円から投資できる」「たまったポイントが投資に使える」といった投資初心者が始めやすい訴求が中心となっています。
通常の広告発信に加えて、TikTokの運用型広告を最適化するAIを活用した「Smart+」の活用により、広告経由の口座開設申し込み数が導入前比で1.9倍に増加したと公表されています。
※Smart+とは、AIが自動で広告パフォーマンスを最適化してくれるTikTokの広告配信機能です。
大和コネクト証券はTikTok広告の発信だけでなく、TikTok公式アカウントでのオーガニック投稿も実施しています。公式アカウントでは、投資に関する疑問に答える内容や公式YouTubeの切り抜き動画を公開しています。
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また、公式アカウントとキャンペーンの連動にも取り組んでいます。2024年には、公式アカウントのフォローと告知動画へのコメントもしくは ダンス動画の投稿でプレゼントが当たるキャンペーンを実施しました。 ダンス動画の投稿では、有名クリエイター6組による参考動画を配信し、ユーザー参加型の仕組みを作りました。


このように、有料広告と公式アカウント、インフルエンサー連携など統合的に設計することで、若年層へのブランド認知と顧客獲得を両立させています。
②SBI証券|Googleの「P-MAX」活用で獲得数85%増加・CPA40%削減
SBI証券は、リスティング広告(検索広告)やディスプレイ広告のリターゲティングなど、顕在層の獲得を中心にデジタル広告を実施していました。加えて、準顕在層もターゲットとしてGoogleの「P-MAX」を活用し、獲得数85%増加、顧客獲得単価(CPA)40%削減という成果を出しました。
※P-MAXとは、Google広告で選択できる広告配信メニューの一つです。Google検索・YouTube・Gmail など複数の配信面へまとめて広告を配信できます。
また、SBI証券は公式SNSアカウントのオーガニック投稿も積極的に実施し、これまで証券会社との接点が少なかった若年層へのアプローチへのアプローチも強化しています。
Instagramでは、投資初心者を意識した教育的コンテンツが数多く投稿されています。専門的なテーマをイラストを使ってやさしく表現しているのが特徴です。特に若年層にとっては、投資を学ぶ最初の入り口として親しみやすい構成となっています。
また、2026年4月からは「誰かの言葉が、あなたの考えや価値観に、少しだけ”変化”や”気づき”をくれるかもしれません。」として、地域ごとのリアルな声を届ける企画「街頭インタビュー」を開始しました。この企画では商品や投資の直接的な訴求はなく、「人生の価値観」というなじみやすい入り口から顧客接点を確保しています。


他にもYouTube・X・TikTokなど複数のチャネルを活用しています。





大和コネクト証券・SBI証券の事例のように、今後の証券会社の広告戦略では、認知獲得のための広告とSNSのオーガニック投稿による継続的なコミュニケーションを組み合わせる手法がますます重要になるでしょう。
証券会社のInstagram・TikTok活用については、以下記事で解説しています!
証券会社のInstagram活用事例4選|投資初心者にも届く運用ポイントと成功の秘訣 – 株式会社ファイマケ
証券会社のTikTok活用事例5選|取り組む理由と成果につながる使い方を解説 – 株式会社ファイマケ
③moomoo証券|複数媒体の活用によりブランド認知を拡大
moomoo証券は、2022年に日本でのサービスを開始しました。2023年に米国株取引サービス・2024年に日本株取引サービスの提供を開始し、日本のオンライン証券ビジネスへの本格参入を機に、2024年にブランドアンバサダーとして俳優の松重豊さんを起用しました。その後、2024年から複数にわたり、松重豊さんを起用した広告を主要駅構内・新聞・オフィスビルのエレベーター内サイネージ・タクシー車内モニター・都内の大型ビジョンなど多岐にわたり展開しています。
複数媒体の統合展開は、短期間でのブランド認知拡大に有効であり、証券会社の広告戦略における参考価値の高い事例と言えるでしょう。
④松井証券|テレビCMとXキャンペーンを連動させて投資初心者との接点を創出
松井証券は、2025年に俳優の広瀬アリスさんを起用したテレビCMを放映し、投資初心者層への認知拡大を図りました。CMでは、コインランドリーで洗濯の待ち時間にスマートフォンで投資状況を確認する様子を描き、投資を”日常の中の自然な行動”として感じられるように表現しています。
CM放映と同時に、公式Xアカウントのフォローと新CMに関するクイズの正解を条件にデジタルギフトが当たるキャンペーンを展開しました。CM放映にとどまらず公式Xアカウントを活用することで、CM視聴者をSNSへ誘導する導線を組み合わせ、その後の接点継続を図っています。


さらにその後もフォロー&リポストキャンペーンも継続的に実施しており、CM認知から公式Xアカウントへの導入、その後の継続的な接点創出までを一貫した戦略として設計している点が特徴です。
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松井証券・moomoo証券の事例のように、近年の証券会社の広告施策を見ると、単一の広告媒体だけで顧客獲得を目指すケースは少なくなっています。
これは、ユーザーの情報収集行動が多様化していることが背景にあります。テレビだけを見る人、SNSだけを見る人、動画コンテンツから情報を得る人など、接触する媒体が分散しているためです。
そのため近年の証券会社は、「テレビCMを流す」「SNS広告を出す」といった単発の施策ではなく、複数のチャネルを組み合わせながら顧客との接点を増やす戦略へとシフトしています。
証券会社の広告を分析する際は、どの媒体を使っているかだけでなく、「どのようにチャネル同士を連携させているか」という視点も重要になるでしょう。
証券会社の広告に適用される規制
証券会社の広告設計を始める前に、複数の法律・ガイドラインが関係していることを押さえておく必要があります。「金商法さえ守っていれば大丈夫」という考え方では、実際の運用で差し戻しが頻発する可能性があります。ここでは、証券広告に関係する4つの規制を解説します。


金融商品取引法(金商法)
- 第37条(広告等の規制)
証券会社が広告を出す際、どの媒体であっても会社名・金融庁の登録番号・リスク情報・手数料など必ず書かなければならないことがあります。
SNS投稿が「広告」に当たるかどうかは、投稿の内容で判断されます。特に注意が必要なのは、「〇〇証券で〇〇を買いましょう」というように、不特定多数に向けて特定の商品の購入を呼びかけるSNS投稿です。このような投稿は広告規制の対象になる可能性が高いので、気をつける必要があります。
<具体的なNG例と推奨表現>
NG例:「新NISAなら必ず増えます」「この銘柄に投資すれば5年で確実に2倍になります」など、リスク情報の記載がない。
推奨表現:「新NISAで投資を始める場合は、〇〇証券(金融庁登録番号:〇〇〇〇)にご相談ください。投資には損失のリスクがあります。」
- 第38条(禁止行為)
第38条第1号は「断定的判断の提供禁止」を定めており、証券広告における重要な規制です。将来の価格や利回りについて断定的な表現をすることは、根拠の有無にかかわらず禁止されています。
<具体的なNG例と推奨表現>
NG例:「今のうちにNISAを始めれば必ず増えます」「この銘柄は来月高値をつけます」
推奨表現:「〜の傾向があります」「〜と考えられます」「〜の可能性が高いと考えられます」など断定的な表現を避ける。



証券会社の広告で「やってはいけない」表現の多くは、金融規制に詳しくない広告担当者には盲点になりやすい傾向があります。
特に断定的判断の提供禁止(金商法第38条第1号)は、「言い切ると読者に伝わりやすい」という広告の基本とも相反する場面があるので注意が必要です。
日本証券業協会(日証協)の「広告等に関する指針」
日証協が定める「広告等に関する指針」は、金商法第37条の法的要件を、証券会社の広告作成実務に落とし込むための具体的な基準を示しています。
日証協ガイドラインで重要なのが、市況コメントや相場予測が「顧客に対して将来の取引を促す内容になっていないか」という判断です。例えば、「円安は今後も続くので、今すぐドル建て商品を買うべき」というコメントは、将来の相場を決めつけて購入を促しているため、規制の対象になりやすいです。一方、「最近の円安トレンドについて、市場参加者の見方は分かれています」という説明は、事実の説明で購入を促していないため、問題になりにくいです。
実務的には、広告出稿を始める前に、「どのような市況コメントならOKか」「どこからがNGか」を、社内のコンプライアンス部門と事前に決めておくことが大切です。このルールがあれば、広告ごとの承認工程がスムーズになります。
<具体的なNG例と推奨表現>
NG例:「今こそドル建て商品を買うべき」「この銘柄は必ず上昇します」
推奨表現:「ドル建て商品の選び方」「初心者向けの銘柄選択ポイント」「投資初心者がドル建て商品を検討する際に確認すべき5つのポイント」など、特定商品の購入を直接勧めるのではなく、顧客が自分で判断できるようにサポートする教育型コンテンツへの転換が有効です。
景品表示法(景表法)
- 第5条第1号(優良誤認表示)
「業界最安値の手数料」「国内最高水準のサービス」というように、自社が他より優れていると表現することを「最上級表示」といいます。このような最上級表示は、消費者を誤解させないよう、根拠となるデータが必要です。
例えば、「最安値の手数料」と言うなら、実際に主要な競合他社の手数料と比較した調査結果を用意しなければなりません。データなしに「最安値」と言うと、消費者が「本当に安いのか」と判断できず、誤解させることになるため、違反になります。同じく「国内最高水準のサービス」と言う場合も、その根拠を明示する必要があります。単に「最高水準です」と言うだけでは、根拠がないとして規制対象になるのです。
<具体的なNG例と推奨表現>
NG例:「業界最安値の手数料」「国内最高水準のサービス」
推奨表現:根拠データを明記したうえで、「主要ネット証券の中でも競争力のある手数料設定」「複数の第三者評価機関で高く評価されている」
- 第5条第3号(ステマ規制)
2023年10月1日にステマ規制が施行され、ステルスマーケティングは景品表示法違反となりました。証券会社が投資系YouTuberやXインフルエンサーにタイアップを依頼した場合、投稿に「PR」「広告」「案件」等の表示が必要です。ただし、単に「PR表記」があるだけでは十分ではありません。ステマ規制の対象は広告主である証券会社であり、インフルエンサーの投稿全体において、広告主との依頼関係が消費者に対して透明に示されていることが要求されます。
<具体的なNG例と推奨表現>
NG例:コメント欄の下に小さく「PR」と記載されているだけで、投稿本文ではタイアップであることが明示されていない。
推奨表現:「本投稿はXX証券とのタイアップ広告です」と投稿内に明記し、広告主との関係を透明に示す。



インフルエンサーとのタイアップの場合、インフルエンサーの発言内容にも責任があります。タイアップ広告を依頼する際、インフルエンサーが「このX証券で投資すれば必ず儲かる」というように、将来の利益を保証するような決めつけた表現をしないことが重要です。このような表現は金商法第38条で禁止される「断定的判断の提供」に該当するためです。証券会社は、タイアップを依頼する前に「金商法で禁止される表現」「コンプライアンス上避けるべき表現」をインフルエンサーに明確に説明しておく必要があります。もしインフルエンサーが禁止表現を使った場合、証券会社側も管理監督責任を問われる可能性があります。
媒体ポリシー(広告媒体ごとの基準)
証券広告はGoogleやMeta(Instagram・Facebook)など、各媒体の金融サービス審査に合格する必要があります。具体的な要件は媒体や時期によって異なるため、実際の広告出稿前には、必ず各媒体の最新の公式ポリシーを確認してください。
証券会社の広告発信を始めるまでの4ステップ
では実際に広告発信を開始する場合、どのような手順で進めるべきか。ここでは、広告発信を始めるまでの4ステップを解説します。


Step1|コンプライアンス部門と「型」を先に合意する
最初にやるべきことは「広告クリエイティブの承認フローと規制対応基準」を社内で確立することです。金商法・景表法・媒体ポリシーに対応した「承認可能な広告表現の基準」を、広告媒体別・商品カテゴリ別に30〜50パターン作成し、コンプライアンス部門と合意します。
承認フローが先に合意できると、個別の広告クリエイティブ審査が「この基準に沿っているかの確認」に簡略化されます。1本の広告クリエイティブ審査に2週間かかっていたコンプライアンス確認が3〜5営業日に短縮でき、Google・Meta・TikTokなど複数媒体への審査申請を効率的に進められます。
Step2|広告配信プラットフォーム・媒体の選定
証券会社が利用できる広告媒体は、テレビCMなどのマス広告と、検索広告(Google広告等)・SNS広告(Meta広告等)・動画広告(YouTube広告)などのデジタル広告に大別されます。
以下は、マス広告とデジタル広告のプラットフォームの特徴と推奨される活用方法の一例をまとめたものです。企業の目的や顧客層によって優先順位は変わるため、自社にあった選択が重要です。
| プラットフォーム | 推奨される活用方法 |
|---|---|
| テレビCM | 投資初心者層への認知拡大。CMとSNS連動キャンペーンを組み合わせることで、テレビ視聴者をデジタルへ誘導する導線としても機能。 |
| 交通広告媒体 | 主要駅や交通機関での高頻度接触を狙う。デジタルサイネージとの組み合わせで視認性向上。 |
| Google広告(検索広告・ディスプレイ広告等) | 複数の配信面へ広告を配信、まだ証券会社を知らないユーザーへのリーチを狙う。 |
| X広告 | X広告のプロモツイート、ハッシュタグキャンペーン等を活用し、新NISA・積立投資などのキャンペーン情報を有料配信。特定のターゲット(投資初心者層、金融関心層)にセグメントしての広告配信により、口座開設検討層への直接的なリーチが可能。キャンペーン開始時期のトレンド話題とのタイミング連動も有効。 |
| YouTube広告 | YouTube広告のTrueView広告、バンパー広告等を活用し、投資初心者層に対してターゲット配信。金融教育コンテンツを動画広告化することで、検索や関連動画での露出を通じた認知拡大が可能。長尺の広告動画で商品説明と教育を組み合わせ、視聴後にランディングページへ誘導する設計が効果的。 |
| Meta広告(Instagram・Facebook等) | Meta広告のカルーセル広告フォーマットを活用し、複数の金融商品や投資教育コンテンツを段階的に表示。図解や統計データによる視覚的な訴求が、投資初心者層への導入に効果的。 |
| TikTok広告 | Z世代・若年層向けの短編動画コンテンツに適している。投資初心者向けのエンタメ的なアプローチも効果的。 |
Step3|広告運用戦略と各媒体への予算振り分け
証券会社が複数の広告媒体を活用する場合、媒体ごとの特性と役割を明確にした上で、マーケティング目標に応じて広告予算をどの媒体にいくら使うかを設計することが重要です。以下は、新規顧客獲得と既存顧客との接触を両立させるための媒体別広告予算の一例です。企業の業態フェーズ・予算規模によって優先順位は変わるため、自社にあった配分が重要です。
| プラットフォーム | 役割・目的 | 推奨予算配分 | KPI |
|---|---|---|---|
| テレビCM | ブランド認知・全年代リーチ | 30~50% | リーチ数・広告想起率 |
| Google広告(検索・ディスプレイ) | 顕在層への直接リーチ・新規顧客獲得 | 20~30% | クリック数・クリックあたりの広告費・申込数 |
| SNS広告(Meta・TikTok・X) | 潜在層への認知・興味喚起 | 15~25% | 広告の表示回数・いいね/シェア/コメント数・1件あたりの広告費 |
| 動画広告(YouTube・TikTok) | 商品理解・教育・ブランド構築 | 10~15% | 視聴完了率・再生数・クリック数 |
複数媒体での連動設計(テレビCMとデジタル広告のタイミング調整、テーマの統一)により、消費者の認知から検討・購買までのカスタマージャーニー全体をカバーできます。各媒体での効果測定を月次で実施し、パフォーマンスに応じて予算配分を最適化することが、全体的な広告効果の最大化につながります。
Step4|広告効果測定の設計(KPI設定)
証券会社の広告でKPIを「表示回数」「クリック数」だけで設定すると、その先の広告継続判断の場で困る可能性があります。推奨するKPI設計は、広告起点から口座開設までのフェーズごとの段階測定です。各フェーズでの進捗を把握することで、どの段階で改善が必要かが明確になります。
| フェーズ | 主要KPI | 目的 |
|---|---|---|
| 認知 | 広告の表示回数・到達した人数・クリック数 | 広告がどれだけの人に見られたか |
| 関心 | クリック率・ウェブサイトへのアクセス数・ページの閲覧時間 | 広告を見た人がどれだけ興味を持ったか |
| 検討 | 資料ダウンロード数・セミナー予約数・問い合わせ申し込み数 | 顧客が実際に検討段階に進んだか |
| 購買(口座開設) | 口座開設申し込み数・1件あたりの広告費・広告費に対する新規顧客数 | 実際に口座が開設されたか・費用対効果は適切か |
各媒体での効果測定を月次で実施し、パフォーマンスに応じて広告の内容・予算配分・媒体選択を最適化することが、継続的な広告効果改善につながります。



「リスティング広告とSNSのどちらを先にやるべきか」と質問を受けることがあります。答えはフェーズによって変わります。口座開設数を今すぐ取りたいならリスティング広告から始めるのがお勧めですが、10年後の顧客層を育てるなら、投資教育型のYouTubeアカウントを今から積み上げる中長期の設計が必要です。
証券会社の広告に関するよくある質問
Q1 証券会社のSNS投稿は、すべて「広告等」として金商法・日証協の規制対象になりますか?
すべてのSNS投稿が金商法第37条の「広告等」に該当するわけではありません。一般的な金融教育情報・市場動向の事実報告・社内文化の紹介等は「情報提供」として区分される傾向があります。ただし、特定の金融商品の購入を促す表現・リスクを軽視する表現・断定的な将来予測を含む投稿は「広告等」に該当するリスクが高まります。日証協の「広告等に関する指針」では、SNSでの発信も解釈対象として含まれる可能性があるため、コンプライアンス部門との事前合意が不可欠です。
Q2 証券会社の広告に対応できる代理店をどのような基準で選べばよいですか?
業法を理解した代理店と組むことで、より効率的な運用が実現できます。以下の3つの基準を確認しましょう。
①金融規制を条文レベルで説明できるか
金商法第37条・第38条、広告等に関する指針、景表法ステマ規制について、実務経験に基づいた具体的な解釈を説明できるかを確認しましょう。初回ヒアリング時に「金商法第38条の断定的判断の提供禁止について、具体的な差し戻し事例を教えてください」と尋ねることで、実務経験の有無が見分けられます。
②媒体審査(Google・Meta・TikTok)の通過実績があるか
代理店が「証券会社の広告審査を通した実績は何件ありますか?」という質問に対して、具体的な事例を挙げられるかを確認しましょう。審査経験がない場合、証券業界特有の規制対応経験がない可能性があります。
③稟議体制を理解した上で稟議資料を共同設計できるか
代理店が「稟議資料の作成もサポートします」と言えるかどうかが重要です。規制対応を役員にもわかるように文書化でき、コンプライアンス部門との事前調整ができるか確認しましょう。
証券会社の広告支援はファイマケへ
新NISAによって投資初心者の市場参加が加速するなか、証券会社の広告はかつてないほど重要な新規顧客接点になっています。しかし、金融業界特有の法規制への対応や専門性とわかりやすさの両立など他業界にはない課題が数多く存在し、社内リソースだけで進めるのは容易ではありません。
ファイマケは、金融機関向けのSNSマーケティング支援に特化しています。1級ファイナンシャル・プランナー資格を持つ代表・苛原の監修により、証券会社、保険会社、銀行など多数の金融機関のSNSマーケティングを支援してきた実績があります。
まずは現状をヒアリングした上で、貴社に合った運用方針をご提案します。お気軽にお問い合わせください!










